2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330142
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小椋 たみ子 Kobe University, 人文学研究科, 教授 (60031720)
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Keywords | 言語発達 / 共同注視 / 母親の働きかけ / 気質 / 育児語 / 韻律構造 / 単数-複数 |
Research Abstract |
1、母子の共同注視(JA)、母親の働きかけ内容と語彙発達の関係を明らかにした。14、17、21ヶ月各20組母子のJAの頻度などの量的測度と表出語数の有意な相関は観察時点でも追跡時点(24ヶ月、33ヶ月)でも見いだされなかった。母親の働きかけはJA中、非JA中でも、方略、手段、動作内容、発話内容が観察時点や追跡時点の総表出語数に影響があり、また、月齢により言語と関連する働きかけ内容は異なっていた。 2、言語発達の媒介要因であることが予想される気質の質問紙を作成し、乳児版553、幼児版638のデータの因子分析から乳児版では3因子(接近、味覚的過敏、周期の規則性)、幼児版では4因子(接近,周期の規則性,自己制御,敏感性)を抽出した。5-30か月の縦断研究から気質の各次元は個人内で安定していること、気質の性差(接近、周期の規則性で男児が、味覚的過敏は女児が有意に高い)、年齢推移(周期の規則性、自己制御は年齢に伴い増加)、精神発達と関連する気質次元(接近と対成人社会性と負の有意な相関、自己制御と対成人社会性と正の有意な相関)を見出した。言語との関係は27ヶ月の表出語数と4,9ヶ月の周期の規則性、18ヶ月の自己制御と正の相関がみられた。 3、単数、複数の区別の形態素を有さない日本語獲得児でも英語獲得児と同様22ヶ月で単数-複数の概念を獲得していることを明らかにした。 4、日本語の外来語に頻出する促音の生起条件を考察し、「ブック」「マックス」などの外来語と「ダッコ、ポンポン」などの幼児語(育児語)が共通した韻律構造を示すこと、両者に見られる重音節の生起が共通の原理に支配されていることを明らかにした。
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Research Products
(13 results)