2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己制御機能の芽生えを探る:情動制御の個人差に関する3歳までの縦断研究
Project/Area Number |
17330143
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 敦子 Nagoya City University, 大学院・人間文化研究科, 教授 (90188889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鋤柄 増根 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (80148155)
水野 里恵 中京大学, 心理学部, 教授 (10321019)
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Keywords | 気質 / 注意 / 自己制御 / 眼球運動 / 縦断研究 / 幼児 |
Research Abstract |
本研究では乳児期から縦断的に(当該年度は月齢36ヶ月を加えて)、注意機能と気質の関係を検討した。注意機能は、注意解放ならびにアンチサッカード課題を施行中の眼球運動計測によって調べ、また気質の個人差は、行動のチェックリスト(ECBQ)と行動観察(当該年度は欲求の制御を測る課題)によってとらえた。 注意解放課題におけるオーバーラップ条件での反応数は、月齢24ヶ月までと比較して36ヶ月で有意に増加した。アンチサッカード課題では、キュー側への反応の割合が、課題の前半より後半で有意に低くなったが、月齢の効果は認められなかった。各児の解放指標(overlap条件での反応時間と反応数)と制御指標(アンチサッカード課題後半におけるキュー側への反応の割合)と気質との関係を検討した結果、これらの指標と自己制御に関わるECBQ下位尺度との間にいくつかの相関を認めた。行動観察の指標と他の指標との間に関係は認められなかった。 そのほか、乳幼児が恐怖表情からの注意解放に遅れを示すことが、先行研究に一致して確認された。また視覚刺激に注意を向けるとき、2歳から3歳にかけては、頭部運動が眼球運動に先行する試行がそれ以前よりも多くなることが示唆された。 米国、ロシア、韓国、チリ、日本でECBQの結果を比較検討した結果、3因子構造(高潮性、負の情動、エフォートフル・コントロール)は共通して再現されたが、それぞれの文化による違いも認められ、たとえば日本では、エフォートフル・コントロール得点が有意に低かった。
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Research Products
(9 results)