2006 Fiscal Year Annual Research Report
思春期以後の軽度発達障害者における実行機能の評価と自己理解の深度化支援
Project/Area Number |
17330147
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
篠田 晴男 立正大学, 心理学部, 教授 (90235549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 洋二郎 立正大学, 心理学部, 教授 (20106214)
北 道子 国立精神・神経センター, 精神保健研究所児童思春期精神保健研究部, 室長 (60214780)
軍司 敦子 国立精神・神経センター, 精神保健研究所知的障害部, 研究員 (70392446)
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Keywords | 自己理解 / CPT / 視覚 / NIRS / 実行 / 前頭前野 / 抑制 / 呈示頻度 |
Research Abstract |
本年度は次の2点について検討を進めたが、最終年度はその関係性に踏み込んだ検討を行う。 1.自己理解の深度化を測定する尺度作成の試み:Damon & Hart(1988)によるインタビュー法を用いた自己理解研究では,質問紙法の限界が示唆されてきた。そこで今回,適用の工夫を加えた質問紙法による自己理解尺度を新たに作成し、検討した。社会人群と大学生群との比較では、前者において自己理解がより深度化されている傾向がみられた。また自己理解尺度の得点とAQとの関連も試行的に検討した。白瀧ら(2003)の高機能広範性発達障害児の自己理解の特徴と,本研究におけるAQ高群の自己理解尺度得点の特徴には類似点が見られ,質問紙法における自己理解研究の有用性が示唆された。 2.連続遂行課題による実行機能評価:視聴覚統合型CPT(IVA-CPT)を参考に,標的刺激が高頻度(84%)あるいは低頻度(1696)で呈示される2条件を設定し、視覚性連続遂行課題時と単純反応課題時の脳血流を、前頭前野16箇所からNIRSにより導出し、反応実行過程を遂行成績とNIRS指標から検討した。対象は、健常成人とし、10名強がNIRS計測に参加した。結果、平均反応時間は,高頻度条件で短縮し、標的刺激が高頻度に呈示される時には低頻度の時より、NIRS指標であるoxy-HBの増大が前頭前野で顕著となった。さらに事象関連NIRSの解析を進める中で、高頻度呈示下でのNO-GO事態について低頻度呈示下に比べ、その増大が明瞭で時間経過においても遷延する傾向を見いだした。このことから、刺激の呈示頻度に応じて、前頭前野が運動反応動作を制御するために、動的に活性していることが推察された。
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Research Products
(6 results)