2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17330155
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂上 貴之 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90146720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 直衛 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (60118510)
大森 貴秀 慶應義塾大学, 文学部, 助手 (60276392)
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Keywords | オペラント行動 / 同一物選択 / 眼球運動 / 選択行動 / マウスクリック |
Research Abstract |
オペラント行動としての眼球運動を制御するには、1)視点の測定、2)眼球運動以外の行動の測定、3)眼球運動の特性把握、4)行動課題の作成、といった小テーマを克服していく必要がある。現在までに、1)市販の眼球運動測定装置から60分の1秒ごとの安定した視点データを得ることができ、2)それと同時に生じている画面上でのマウス操作をその位置とボタン状態で把握することができるようになった。ただし複雑な視覚刺激を提示するためのコントローラの信号系が眼球運動測定装置とコンフリクトを起こすために、とりあえず刺激提示はこちらでプログラムしたものを用いることとし、メーカーと原因を検討中である。また3)眼球運動の先行研究、特に探索に関するものから、眼球運動の方向と速度の2点のオペラント制御に研究目標を絞ることとして関連する処理プログラムを開発し、4)単純な行動課題として、同一物選択場面(identical options:スーパーの棚から同じ種類の缶詰めの1つを取り出すような場面)での選択行動の実験を行った。参加者は4種類(2行6列、3行4列、4行3列、6行2列)のどれか1つの配置におかれた12個の選択箱から1つをマウスクリックで選び、もしも当たりであれば報酬が与えられる。実際には3回ごとに当たりとなり、それ以外は自分の選んだ箱の左隣が当たりとなる。各配置は10試行ずつ行われ、その後別の配置を経験した。同一物選択場面では、一般に極端に端の部分、特に下方の左右の端を選ぶことが少ないことが先行研究から分かっているが、本研究では、参加者がそのような部分を凝視していても、マウスによる最終的な選択は極端な部分を避ける事が確認された。刺激提示からマウス選択まで数秒の間に、参加者はマウスの動きとは別にいろいろな選択箱を見ており、今後これらのデータをベースに眼球運動の方向と速度の制御に取り組みたいと考えている。
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