2006 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育を軸とした高等教育システムの構築-ユニバーサル・アクセスへの保証-
Project/Area Number |
17330158
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
生田 久美子 東北大学, 大学院教育学研究科, 教授 (80212744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 克弘 東北大学, 大学院教育学研究科, 教授 (90133610)
坂本 辰朗 創価大学, 教育学部, 教授 (60153912)
加藤 守通 東北大学, 大学院教育学研究科, 教授 (40214407)
渡部 信一 東北大学, 大学院教育情報学研究部, 教授 (50210969)
北村 勝朗 東北大学, 大学院教育情報学研究部, 助教授 (50195286)
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Keywords | 教育学 / 高等教育 / 特別支援 / ユニバーサル・アクセス |
Research Abstract |
平成18年度は、昨年度に引き続き4つの特別支援((1)ジェンダー(2)多文化(3)ハンディキャップ(4)ギフテッド)の観点から国内外の高等教育の現状および課題について調査・研究等を行った。各部門の研究実績は以下の通りである。 (1)ジェンダー部門:代表者の生田及び研究協力者は、昨年に引き続きアメリカおよびカナダ(エモリー大学、ハーバード大学、オタワ大学、モントリール大学)の大学付属保育園を視察し、施設概観、組織形態、教育理念、大学との連携、課題事項等に焦点を当てた調査を実施した。また、生田はアメリカ教育哲学会において、フェミニスト教育哲学者のJ.R.Martin主催のシンポジウム("Changing the Global Educational Landscape")にパネルとして参加し、教育をジェンダー視点から再考すべきことを提言した。前年度にシカゴ大学、イリノイ大学等において収集した坂本は、インタビュー記録および未刊行学位論文等をもとに、ジェンダーの視点が、高等教育におけるユニバーサル・アクセスへの可能性に大きく寄与することを、女性へのリーダーシップとエンパワーメントのためのジェンダー・アウェアネス・プログラムが男性学生へも適用可能であることなどを例として示すことで論証した。犬塚は日本におけるジェンダー・センシティブな大学改革に必要とされる内部機関を1,ジェンダー研究機関,2,エンパワメント部門,3,男女共同参画のための委員会・事務組織の3つに整理し,その機能と課題について明らかにした。 (2)多文化部門:当部門は、John Hopkins大学のNahum Chandler(フルブライト訪問教授)主催の国際会議("W.E.Du Bois and the Another World")と協催し、生田・加藤はパネルとして教育を多文化の視点から再考することの重要性について論じた。末松は東北大学の留学生への教育支援のプロジェクトを立ち上げ、6つの異文化間協働プロジェクト(多言語教室開催、留学生就職支援、留学生ネットワーク構築、ハラル・フード、留学生ニーズアセスメント、料理教室開催を通した地域貢献)を通して高等教育におけるユニバーサル・アクセスの問題を検討している。 (3)ハンディキャップ部門:高等教育関連コンテンツのアクセシビリティと利用性共通の分析枠組みにはヒューマンセンター設計概念、共通の分析手法には自動評価、障害種別Cognitive walkthroughs、Performance-related measurements等、利用性の分析指標にはeffectiveness、efficiency、satisfactionを候補として検討した。 (4)ギフテッド部門:高等教育と才能育成との接続を視野に入れ,学びの内容を飛躍してより進んだ教育環境を提供する促進教育を実践している高等学校2校と,進度の促進は行わずより深い内容の教育環境を提供する拡充教育を実践している高等学校3校を対象とし,授業・クラブ活動の参与観察及び担当教員・生徒への深層的インタビュー調査を実施した。また才能教育先進国であるイギリスの実践報告をもとに検討を行った。
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Research Products
(37 results)