2005 Fiscal Year Annual Research Report
多文化共生社会に根ざす協働学級の構築に関するカリキュラム開発実践研究
Project/Area Number |
17330163
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
宇都宮 裕章 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30276191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 文彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (30216288)
阿部 耕也 静岡大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (30212541)
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Keywords | 教育学 / カリキュラム / 多文化教育 |
Research Abstract |
本研究は、学齢期にある日本語学習者と日本人児童生徒が共生する教育環境において、お互いの異なりの特性を生かして力を補完し合い学びを活性化するという協働的な学習の場、すなわち協働学級の構築と周知を目的としたものである。 本年度は、本研究分担者の専門的見地からの分析により、以下の実績を挙げた。 1、「学び合いの多文化協働教育」と題したシンポジウムの開催 多文化教育・言語教育・教育政策等に造詣の深い研究者を招致し、議論を行った。シンポジウム開催に際して、関係者が蓄積している知見を収集し、過去の教育理論と実践成果の整理と分析を行った。その結果、問題解決を希求した活動では現場にないものを求めることに繋がり実践への敷居が極めて高くなること、一方、現出している課題とそれに関係するものの調和を図ることで問題を逐一解決する必然性が消失し多文化の高度な受け入れ態勢が整うことが明らかになった。これらの成果を、『学び合いの多文化協働教育-公開シンポジウム報告書』(静岡大学生涯学習教育センター・教育学部,2006年)にまとめ発行した。 2、協働学習のカリキュラム・アウトライン(原理)の開発 多文化を背景とする子どもたちに対する教育を独立したものと捉えず、一般の児童生徒との学び合いに基盤を置く互恵的学習、すなわち「協働学習」のカリキュラム開発に着手した。開発に先立って、本年度全期間を通し、資料・文献調査、先行事例研究・機関視察、大学生主体による地域との交流活動を行い、効果を検証した。その結果、言葉の教育と教科内容の教育を分断して実施する方法の欠陥が露呈し、協働学習の理念が統合的な教育方法に存在することが明確となった。この成果を踏まえて構成したのが、協働型カリキュラム原理の概念図である。これを次年度での具体的な開発の糸口にする。
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Research Products
(2 results)