2006 Fiscal Year Annual Research Report
知の伝達メディアの歴史研究-教育史認識のメディア論的転回に向けて-
Project/Area Number |
17330164
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻本 雅史 京都大学, 大学院教育学研究科, 教授 (70221413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八鍬 友広 新潟大学, 教育学部, 助教授 (80212273)
佐藤 卓己 京都大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (80211944)
小山 静子 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40225595)
西山 伸 京都大学, 大学文書館, 助教授 (30252406)
谷川 穣 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (10362401)
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Keywords | 教育史 / メディア / 教育学 / 往来物 / 出版 / 書物 / 識字 / 声と文学 |
Research Abstract |
共同研究者がそれぞれの個別のテーマに即した個別研究をもとにしつつ、その成果を本研究の文脈に即して共同で検討するための共同研究を行うかたちで進めた。 共同研究会は今年度も2回の研究会を通じて行った。第1回(通算第3回)は7月29日30日の2日間、京都大学にて開催。(1)各自の研究の進展状況を報告して情報と意見の交換。(2)ゲストスピーカー鈴木俊幸(中央大学教授)は近世後期における書籍流通に関する実証的報告。(3)八鍬友広が近世往来物をテキスト学の視点から分析・検討の報告。(4)川畑薫が松花堂流書家の養成の一端を紹介。(5)今田絵里香が近代日本の「少女雑誌」分析をもとに、「少女の成功」説を検討した。その成果の一端は、研究誌『教育史フォーラム 』第2号に掲載し研究中間報告とした。 第2回(通算第4回)は3月26日27日、京都で行い(6)ゲストスピーカー梅村佳代(奈良教育大学教授)が近世の識字研究の最新の成果を報告、(7)梶井一暁が近世僧侶の文化交流をメディア論の視点で検討、(8)谷川穣が子どもの遊びにおける野球の「透明ランナー」ルールを素材に戦後子ども文化の一端を考察した。(9)今後の本研究の方向と研究成果の公表の方法について議論した。(10)大東文化大学での教育史学会で辻本雅史がコロキウムで「比較教育メディア史」を企画し日本近世の書籍流通について議論した。その他、共同研究者はそれぞれ資料調査や研究成果を学会で発表すると共に、論文や報告書などとして公表している。業績の総計は、著書6冊、論文21本の多きに上っており(別表参照。ただし紙数の関係で記載は一部のみ)、本研究は、当初の期待通り順調に進展している。
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Research Products
(19 results)