2006 Fiscal Year Annual Research Report
大学法制の構造的変容の比較法的、法制史的、立法過程的、および解釈論的研究
Project/Area Number |
17330169
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
細井 克彦 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00117970)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姉崎 洋一 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 教授 (80128636)
光本 滋 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 助教 (10333585)
山口 和孝 埼玉大学, 教育学部, 教授 (90182427)
蔵原 清人 工学院大学, 工学部, 教授 (50178092)
植田 健男 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (10168627)
|
Keywords | 高等教育の市場化・民営化 / 大学の設置形態 / 国立大学法人 / 公立大学法人 / 財政問題 / 大学評価 / 比較法研究 / 制定過程研究 |
Research Abstract |
平成18年度は、比較法研究と制定過程研究、法制史研究に取り組んだ。比較法研究では、昨年度に続く二次調査として、中国、イギリス、ニュージランドを実施したのに加えて、韓国、ベトナムの高等教育調査を行った。中国に加えベトナムを行ったのは、社会主義と呼ばれる国での市場化・民営化がどうなっているかを調査することであったが、やはりベトナムでもドイモイ以降、急速に展開していることが明らかになった。韓国が国立大学法人化を行おうとしているが、日本との比較としても重要であることが分かった。イギリスでは高等教育が「市場」として成り立つという判断がかなり浸透しているようだが、これをどう考えるか、また、ニュージランドでも以前より「合理的」な形で展開されている、とされているが、その実態をどう考えるかは重要であろう。 制定過程研究では、経済産業所の関係者や元学長のインタビューをはじめ、福島大学、新潟大学、九州大学などの教育研究組織の再編動向を調査研究した。後者では、研究組織と研究組織の分離という形を取っている大学にあっても、実体はかなり違うことが分かる。研究教育組織の再編を通じて管理運営面での再編(特に人事面)を目指しているところもある。このような再編動向は今後も進むものと考えられるが、これからの教育研究のあり方に関わる問題であるように思われる。前者では、国立大学法人法の制定にいたる経緯がかなり明らかにされたことである。経産省関係の国立大学法人法のねらいが明らかになったのは重要であり、また、国立大学協会での議論状況も時期ごと変化していることが明らかになった。また、公立大学関係では昨年に続き、京都府大、高知県立大などでの法人化の動きを現地調査し、文部科学省関連もインタビューを行った。 法制史研究では1990年代以降の高等教育政策・改革関連の年表の作成ならびに資料収集を継続中である。 これらの研究のうち、制定過程研究と比較法研究の部分は科研<第一次報告>(平成18年8月18日付)としてまとめており、また、関連研究で幾つかを研究代表者および分担者が学会発表や雑誌等に投稿した。なお、平成18年度活動報告についても<第二次報告>として刊行する予定である。
|
Research Products
(7 results)