2007 Fiscal Year Annual Research Report
大学法制の構造的変容の比較法的、法制史的、立法過程的および解釈論的研究-政府・大学間の契約関係と「学問の自由」との"組合せ問題"への日本的応答の普遍性と特殊性の究明-
Project/Area Number |
17330169
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
細井 克彦 Osaka City University, 大学院・文学研究科, 教授 (00117970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姉崎 洋一 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 教授 (80128636)
光本 滋 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 助教 (10333585)
山口 和孝 埼玉大学, 教育学部, 教授 (90182427)
蔵原 清人 工学院大学, 工学部, 教授 (50178092)
植田 健男 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (10168627)
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Keywords | 高等教育の市場化・民営化 / 大学の法的地位 / 国立大学法人 / 公立大学法人 / 財政問題 / 大学評価 / 比較法研究 / 解釈論研究 |
Research Abstract |
平成19年度は、本研究課題の最終年度に当たるので、総括的なまとめとして、解釈論研究を軸に、立法過程研究、比較法研究、法制史研究を組み合わせる形で報告書を作成した。全体の構成は、第一部 国立大学法人法、第二部 公立大学法人、学校法人、第三部 諸外国の動向、まとめに代えて」からなっており、最後に法制史研究の一部として90年代以降の大学改革関連年表を付している。 第一部では、国立大学法人法の解釈論研究として、総論 国立大学法人法の全体的特徴と解釈・運用・立法政策上の課題、各論一 法人法の個別的論点に即して、各論二 新しい国家統制手法、第二部では、公立大学法人の成立過程、学校法人の意義と仕組み、第三部では、ニュージランド、中国、ベトナム、韓国の高等教育改革の最新の動向をまとめている。報告書の中心は、第一部であることは言うまでもない。 国立大学法人法の全体的特徴として、1 構造改革・教育改革における位置づけを、1)教育改革における高等教育改革の相対的重点化、2)新自由主義教育改革、3)教育基本法改正の先取り(全教育階梯における新自由主義的統制の先導的試行)と捉え、2 国立大学法人法の主な問題点を、1)設置主体と費用負担、2)「中期目標-中期計画」スキームによる大学統制、3)トップダウン型の大学運営、4)「教学」に対する「経営」の優位、5)学外者の大幅な関与、6)大学経営の企業化、7)学長選考制度の問題点、8)教職員の身分の不安定化、9)大学法制の《空洞化》《液状化》と分析している。さらに、法案審議過程で生じた問題、法人法制定以降の教育法制の変動についても検討している。
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Research Products
(5 results)