2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳科学的観点から見た子どもの発達と学校カリキュラムの開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
17330171
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
安彦 忠彦 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30027966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中垣 啓 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00124181)
坂爪 一幸 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10202087)
三尾 忠男 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20219596)
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Keywords | 脳科学 / 学校カリキュラム / 発達 / 発達障害 / 高次脳機能 |
Research Abstract |
中垣G(グループ)は、発生的認識論の脳科学的基礎を探るため、本年度は「小学校2年生、5年生、中学2年生、大学生を対象に、命題の形式性に関する認知発達の実験的研究を行った。その結果、小学校2年生と5年生ではトートロジーの形式的真理性や矛盾の形式的虚偽性を認める段階の者はごく少数であり、中学2年生でも2割ほど、大学生でやっと8割がその段階までに達していた。具体的操作期から形式的操作期へは11〜12歳を境にして移行するというのでなく、小学校高学年から中学生を経て、高校生・大学生へと徐々に移行していくと考えた方が適切ではないかと今は考える。しかし、このような認知発達の変化が、高次脳機能として大脳新皮質の神経生理学的レベルの発達とどう対応しているのかが、次の課題である。坂爪Gは、高次脳機能障害の脳科学的基礎を研究課題として取り組んでいるが、今年度は(1)神経生理学的評価と教育・指導法に冠するマニュアル作成の検討:都立養護学校との10回の研究・研修会で評価項目の選定と臨床的な検討の実施、(2)評価・指導マニュアル必要項目の探索的な検討:養護学校小学部在籍の発達障害児42名・就学前幼児10名の発達評価の実施などを行い、その成果の一部を第3回関東子ども精神保健学会講演「アセスメントを生かした発達障害児への支援の実際」として発表した。三尾Gは、教育工学的手法による3次元立体表現の試行のため、東京工業大学の赤堀教授と協働でそのプログラム開発を行い、海外の国際学会で発表した。安彦は、以上の全体的な研究の進行状況の把握と整理の上で、自らの関心である6-3制学校制度の区切りについて脳科学の最近の研究成果を元に検討し、「脳科学的観点から見た6-3制学校カリキュラムの検討」と題する論文を、早大大学院教育学研究科紀要第16号に発表した。
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Research Products
(1 results)