2006 Fiscal Year Annual Research Report
通常学級における脳性まひ児の学習支援に関わる開発研究
Project/Area Number |
17330199
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安藤 隆男 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (20251861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 公司 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (60375516)
川間 健之介 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (20195142)
徳永 豊 国立特殊教育総合研究所, 企画部, 統括主任研究員 (30217492)
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Keywords | 教育学 / 肢体不自由教育 / 脳性まひ / 通常学級 / 学習支援 / 地域支援 |
Research Abstract |
通常学級における脳性まひ児の学習支援モデルを構築開発する上で,(1)学習の主体である脳性まひ児の学習特性,(2)脳性まひ児の教科指導を行う担任教師,そして(3)地域における支援の担い手である肢体不自由養護学校の支援体制,が注目できる。これらの諸点を踏まえて,研究計画の二年次である本年は,昨年度の基礎的な研究から得られた知見に基づき,次の研究を実施した。第一は,筑波大学附属桐が丘養護学校と共同して,用具教科(国語,算数・数学),美術科,体育科における脳性まひ児の認知特性を踏まえた学習支援モデルを構想・検証した。WISC-IIIの結果から,小学部・中学部・高等部において逆N字の特徴を示した事例を抽出し,各教科においてモデル検証授業を行った。その結果,個々の認知特性を踏まえた教示方法や教材などの工夫が有効であることが確認されるとともに,運動障害に起因する学習の困難さに関わる評価の視点,すなわち,自立活動の指導との関連からモデル構築の必要性が示唆された。第二は,養護学校における脳性まひ児の学習支援モデルを,通常学級における脳性まひ児の学習支援モデルに変換するために,特有の認知特性を有す脳性まひ児の学級担任と保護者を対象として,通常学級における支援のニーズを把握するための調査を実施した。脳性まひの認知特性に関する担任教師の気づきには,個人間差異があることが示唆された。このことから,通常学級における脳性まひ児の学習支援モデルを構築し,効果的に実践・評価を行っていく上で,脳性まひの認知特性に対する担任教師の気づきと理解を促すことが重要であり,肢体不自由養護学校の地域支援において子ども支援の他に,教師支援が大きな鍵を握ることが看取できた。
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Research Products
(2 results)