2006 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害児に対するグループソーシャルスキルトレーニングプログラムの開発
Project/Area Number |
17330204
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
本田 恵子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教授 (50317674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 佳子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 講師 (90367011)
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Keywords | ソーシャルスキルトレーニング / 行動観察 / ソーシャルスキル尺度 |
Research Abstract |
平成18年度は、現場での実践研究(研究者が2校4クラス、協力教員が小学校2校、中学校2校で実施)および、ソーシャルスキルの質問紙調査を保護者に対して実施した。 1)現場実践:小学校2校4生および6年生各2クラスずつ4クラスにてソーシャルスキル教育を実施した担任や生徒からの情報収集および、行動観察からのアセスメントでは4年生1クラスおよび6年生の1クラスは、これまで生徒が荒れたとき教員が対応できなかったために生徒・保護者から教師への信頼が得られていなかった。現在もおだやかなタイプの教員が受け持っており、生徒は話を聞く姿勢ができていなかった。一方、もう1クラスは、4年生、6年生ともに落ち着かない状態を教師が力で制する傾向があり、表面上は静かにしていても教員の目がないところでは、暴言・暴力、いじめととれるいたずらが絶えずみられた。それぞれのクラスの状況をアセスメントした上で学校生活の基本である「教師の役割の認識」からはじめ、自己理解を深めることをターゲットにしながら自己統制感とセルフエスティームを高めるプログラムを立てて実践した。それぞれ5回実施した結果、互いの心理的・物理的距離感がとれるようになり、意見が対立しても落ち着いて相手の話を聞くことができるようになっている。また、両校ではひきつづきソーシャルスキル教育を授業にとりいれてゆく動きがでている。 2)ソーシャルスキル尺度の開発:プレテストを20名に実施したうえで、項目の調整を行い、東京・神奈川の800名の小学生の父母に質問紙を配布。現在、データを入力して結果を分析している。途中経過としては、「友だちづくり」をしたいが「維持」をする力が低い子どもが多い傾向がみられ、その要因に「セルフエスティームと「積極的性格傾向」が影響している可能性が現れている。
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