2007 Fiscal Year Annual Research Report
散在型有限単純群と頂点作用素代数に内包された対称性の発見
Project/Area Number |
17340001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮本 雅彦 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30125356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 純 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20166416)
内藤 聡 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (60252160)
杉山 和成 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 準研究員 (90375395)
北詰 正顕 千葉大学, 理学部, 教授 (60204898)
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Keywords | 散在型有限単純群 / 頂点作用素代数 / モンスター単純群 / ムーンシャイン予想 / ムーンシャイン加群 / テンソル積 / semi-rigidity / 原田予想 |
Research Abstract |
本年度の研究実績 本年度の研究により頂点作用素代数関係について以下の2つの知見を得た。 (1) 頂点作用素代数の公理からだけでは交絡作用素の定義も曖昧であり、現在の所一般論を展開するにはC2条件と呼ばれるものを仮定する以外に方法はない。この仮定の下で代数として基本的なテンソル理論が完成することを確認した。 (2) 上のテンソル理論において加群の写像の完全性をテンソル積が保つとき、平坦であると呼ばれる。この性質が成り立てば、テンソル積と写像が自然な関係で結ばれていることを意味し、重要な性質である。この研究では、この平坦さがsemi-rigidity性より導かれることを示した。 本年度の研究により群論関係について以下の2つの知見を得た。 (3) 奇数位数の群の可解性はファイト・トンプソンにより証明された有名な結果であるが、その証明は250ページにもなり、群論の高度な知識を利用している。ところが、背理法による証明での最小反例はstrongly p-embedded subgroupを持つことはたった6ページの論文によって示されている。それ故、strongly p-embedded subgroupを持つ群の研究が重要であることが分かる。この研究では、strongly p-embedded subgroupを持つある種の群に対して原田予想と呼ばれるモジュラー表現の結果が成り立つことを示した。 (4) 位数2の元の中心化群の位数に関する原田予想の内、任意のfour groupに関する予想の反例を得た。
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