2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 慎宏 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10037278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70144631)
栄 伸一郎 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30201362)
柴田 良弘 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50114088)
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
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Keywords | 非線形波動方程式 / グローバル・アトラクラー / エネルギー減衰 |
Research Abstract |
グローバル・アトラクターの研究を中心に非線形波動方程式の解の時間漸近挙動を考察することが主な目的であった。今年度においては、まず有界領域における方程式で非線形の摩擦項を持つ場合を研究し、グローバル・アトラクターの存在とその特徴づけをおこなうことに成功した。とりあつかった摩擦項はベキ非線形を含むものであり、退化しているのでその扱いはきわめてデリケートである。さらに、摩擦項が局在的な場合も考察した。これらを導く手法としてある種の差分不等式の解の性質を証明したが、これは今後の研究にも有用であることが期待される。 関連する問題として、m-Laplacianタイプの非線形法物形方程式のグローバル・アトラクターの研究をおこない、いくつかの興味ある新しい結果を得た。論文準備中である。また、J.Bae氏(釜山大学)との共同研究で、外部領域における線形および非線形波動方程式の解のエネルギー減衰に関する詳しい評価を与えた。これらは、外部領域におけるグローバル・アトラクターの考察につながることが期待される。さらに、望月清氏(中央大学)との共同研究において、障害物の形状になんらの制限をおくことなく、遠方で摩擦項が働く場合、全エネルギーが時間とともに減衰することを証明した。 各分担者においても、流体方程式の解の漸近挙動や線形摩擦項をもつ非線形波動方程式の解の挙動、さらにパターン形成に関する偏微分方程式の解の挙動について詳しい解析を行うとともに、研究集会・セミナーに積極的に関与し、九州地区における高度な非線形偏微分方程式の研究環境の維持、発展に貢献した。
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Research Products
(3 results)