2007 Fiscal Year Annual Research Report
特異領域変形,係数退化を伴う楕円型作用素のスペクトル漸近解析と応用
Project/Area Number |
17340042
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神保 秀一 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (80201565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 玄 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50118535)
本多 尚文 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (00238817)
立澤 哉 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (80227090)
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
倉田 和浩 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (10186489)
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Keywords | 楕円型作用素 / 特異摂動問題 / 領域変形 / ラメ作用素 / 固有値 / 摂動公式 / 半古典近似 / 固有振動 |
Research Abstract |
本研究計画で行ってきたプロジェクトの1つである特異的な(部分的に退化する)領域上の偏微分方程式の解の研究を継続した.具体的に得られた成果は以下の通りである. 1.一部が退化した領域上の楕円型作用素の固有値の漸近挙動の解析: 細い括れがあるオーダーで収縮する場合や細い溝のある領域などについて固有値の摂動公式を示した.退化の度合いやサイズのオーダーなど幾何的な性質の差異に応じて異なる形を取るなど非常に興味深い性質が見いだされた. 2.弾性体の振動問題に現れる特異領域の問題の解析: 細いあるいは薄い領域上のラメ作用素の振動モードを与える解を考察した.領域変形の極限における解の挙動と極限方程式として現れる偏微分方程式系の性質をモード別に考察した. 3.部分的に薄いあるいは複雑領域上の楕円型方程式(系)の解の解析: 部分的に細い領域や薄い領域における半線型楕円型方程式やギンツブルグ・ランダウ(GL)方程式の解に構造について領域が変形した極限集合上の方程式系の解と関連付けた.従来安定な解についての対応関係は調べられていたが不安定な解も含めて特徴付けられた.これらの結果は上記の単独な特異領域のみならずそれらを組み合わせた複合領域の場合にも拡張された.特に極限集合が部分的に1次元の場合のネットワーク状の領域の場合は一様収束の意味で解の特徴付けまでできた.今回は変分法における最小化経路の方法に関して発展した.
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