2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形偏微分方程式における界面運動と爆発現象の研究
Project/Area Number |
17340044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
俣野 博 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40126165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
WEISS G・S 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30282817)
谷口 雅治 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (30260623)
水町 徹 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (60315827)
中村 健一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (40293120)
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Keywords | 非線形解析 / 偏微分方程式 / 解の爆発 / 界面運動 / 漸近的手法 / 特異極限 / 拡散方程式 / 熱方程式 |
Research Abstract |
(1)俣野は,空間1次元の非線形拡散方程式の解のダイナミクスを力学系の視点から論じ,大域的アトラクターに関する従来の理論を解の爆発現象を取り込む形に拡張して,その構造をを解析学的手法と位相的手法を併用して調べた。これにより,爆発時の解のプロファイルの多様性について新しい知見を得た(文献[1])。 (2)ある種の非線形拡散方程式においては,拡散係数などのパラメータを0に近づけた特異極限で不連続な「界面」をもつ解が現れる。俣野は,空間的非一様な係数をもつ競争拡散系とその特異極限について詳細に論じ,初期段階で起こる界面の生成とその後の界面運動の両方について精密な評価式を導いた(文献[2])。 (3)俣野は,摂動項を含むAllen-Cahn型方程式とFitzHugh,Nagumo型の反応拡散系の特異極限について論じ,上記(2)と同様に,初期段階で起こる界面の生成とその後の界面運動の両方について精密な評価式を導いた(文献[3])。 (4)ヴァイスは,個体燃焼理論で1次近似モデルとして現れる不安定な偏微分方程式研究し,2次非退化解の部分正則性を証明するとともに,任意のminimizerが正則であることを示した。 (5)谷口は,空間3次元のAllen-Cahn方程式において,等高面が遠方で角錐に漸近する「角鋸型進行波解」の存在を証明した。Allen-Cahn方程式において,この角錐型進行波は進行方向の軸に関して回転非対称であり,空間的異方性をもたない等方的な反応拡散モデルにそのような進行波があることを初めて示した。 (6)中村は,反応拡散系に現れるスパイラルパターンの簡略化モデルとして,形を変えずに一定速度で回転する定常スパイラル波をある程の常微分方程式を用いて定式化し,スパイラル波のパターンの多様性について詳細な考察を行った。
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Research Products
(4 results)