2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340053
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩室 史英 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80281088)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 哲也 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (80208016)
太田 耕司 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50221825)
吉田 道利 国立天文台, 光赤外研究部, 助教授 (90270446)
沖田 喜一 国立天文台, 光赤外研究部, 助教授 (60204096)
泉浦 秀行 国立天文台, 光赤外研究部, 主任研究員 (00211730)
|
Keywords | 光学赤外線天文学 / 精密研磨 / 超精密計測 / 研削加工 / 精密位置制御 |
Research Abstract |
京都大学では、次世代の超大型望遠鏡建設に必要な技術を用いて口径3.8mの望遠鏡を国内に建設する計画を進めている。本研究では、それに関連して以下の研究を行った。 1.分割鏡支持機構の設計・開発 分割鏡の支持点を均等な力で支えるための機械的構造を試作した。この支持構造は、望遠鏡が傾いたときにも回転トルクが発生せず、また、出来る限り薄い空間内に配置できるよう顧慮している。試作の結果、支持構造の関節部分のガタや取り付け精度が問題となること等がわかった。 2.支持機構駆動のためのアクチュエータシステム開発 上記支持機構の機械的構造部を〜10nmの精度で駆動するためのアクチュエータシステムを改良し、試作した。望遠鏡のトラス構造の節点の下部に取り付けることが可能なようにし、また、ハーモニックギアを使用した駆動軸に対し、ばねで予圧をかける機構を取付け、負荷が小さい場合でも動作を安定させることができるようになった。 3.精密位置測定に必要な非接触センサーの試験 鏡同士の相対位置を測定するための非接触磁気センサーの長期安定性試験を進め、測定値はケーブルの曲げなどの変形や、対向金属板の静電気等に対して敏感に反応するため注意が必要であること等が判明した。更に、新たに開発されたセンサー駆動回路を用いても長期安定性試験を行なったところ、ノイズ性能は向上したが安定性が悪化したこともわかった。今後は両方の良いところをだけをあわせて駆動回路を修正できないか検討していく予定である。 4.分割鏡位相差測定のための基礎技術開発 望遠鏡焦点面に取り付けたレーザー光源と分割鏡境目の鏡面上に取り付けたハーフミラーを用いて鏡同士の位相差を測定するためのシステムを考案し、この方法で位相差が測定できることを実験により確認した。今後は、レーザーの波長を切り替えて、全ての波長において位相差を0にするための最速アルゴリズムを考え、実験により実証していく段階にある。
|