2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340060
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
近田 義広 国立天文台, 電波研究部, 教授 (30126122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 則幸 国立天文台, 電波研究部, 教授 (90214618)
春日 隆 法政大学, 工学部, 教授 (70126027)
中平 勝子 長岡技術科学大学, eラーニング実践センター, 助手 (80339621)
氏原 秀樹 国立天文台, 電波研究部, 研究員 (40399283)
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Keywords | 電波天文学 / 宇宙科学 / アンテナ工学 / レンズ / 電波望遠鏡 / 衛星搭載機器 |
Research Abstract |
電波望遠鏡の大きさは現在、限界にきている。観測波長の約1万倍を越える口径の望遠鏡は、重力、風、温度分布の不均一に抗して鏡の面精度を波長の10分の一以下という精度に保つことが出来ない為である。受信機の感度も物理的な限界に近づきつつある現在、より大きな集光面積を実現できなければ、21世紀の電波天文学は壁に突き当たってしまう。たくさんの望遠鏡をつなぎ干渉計で集光面積を稼ぐ方法もありうるが、相関器始め、システム全体の複雑さが増えて得策でない。この壁をkm級のレンズアンテナ望遠鏡で一挙に打ち破る方法を探る。レンズは、透過型なので、レンズ素片の光軸にたいする傾きが、系全体の性能に対し、1時の微小量では効かないという利点があり、これによって、鏡よりはるかに容易に大きな集光面積のものが実現できるはずである。また、レンズ素片としては、遅延素子ではなく位相シフタを使用することで、薄く軽量なレンズが可能になる。 これまでの研究で、単一周波向けのレンズ面の製作方法については、理論・実験両面から見通しがついた。多周波向けのレンズ面、特に2周波向けのものを製作し、実測・評価、理論面の精査を行うことで、より電波天文学の実際に、適合したレンズ面の製作方法を探ってきたが、これを継続して行った。 一昨年度、昨年度、レンズ面上の導体パターンについて、進展があったのでこの実験をさらに進め、昨年度に続き、多周波レンズアンテナの実現に向けて,基礎的データの取得を行った。
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