2005 Fiscal Year Annual Research Report
DPPDによるシンチレーターストリップ型カロリメータの開発
Project/Area Number |
17340071
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
竹下 徹 信州大学, 理学部, 教授 (70154995)
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Keywords | 半導体光センサー / 電磁カロリメータ / プラスチックシンチレータ |
Research Abstract |
電磁カロリーメータをタングステンとプラスチックシンチレーターよりなるサンドイッチ型で構成して製作し、その性能をビーム粒子により手巣津することが目標である。 本年度はその初年度であり、各部品の開発・製作・シミュレーションを行った。 (1)光センサーの開発 当初DPPD(Degital Pixel Photo Detector)と申請者が名づけた素子は、製造元の浜松ホトニクス社との話し合いにより、現在はMPPC(Multi Pixel Photon Counter)と呼ばれている。MPPCは常温動く半導体光センサーで、増幅率が100000から1000000倍あり、電圧100V以下で動かすことができる画期的な素子である。薄い(数ミクロン)半導体にバイアス電圧100Vを掛けて1000000V/cm程度の強い電場により光子から生成された電子ホールペアの電子を増幅する。さらに1mm x 1mm程度の光感度領域を数十ミクロンx数十ミクロンの小さなピクセルに区切りその中で光子数1個に対して1ピクセル信号を生成することにより、入射光子数をピクセル数としてカウントする。開発は、光電子増倍管の感度の2倍まで達し、いよいよ光電子増倍管を抜き去った。さらにピクセル数を増やし入射光量の線形性を向上させることが課題である。 (2)小型プラスチックシンチレータストリップ 1cm x 4cm x 0.2cmの小型ストリップをつくり、その性能を波長変換ファイバーからのシンチレーション光出力で調べた。通過荷電粒子に対して、今まで知られていた2.3p.e.という光量子数の2倍以上を得た。これは反射材に新型のRadiant Mirror Filmをもちいたためと考えられている、が追試を実行中である。 (3)シミュレーションではタングステンの板の厚さの不均一性や隙間の及ぼす影響について、シミュレーションを行った。隙間はタングステン板とプラスチックシンチレーターの間にある場合、影響が大きく磁場とともに入射光量が大きく見えることが判った。 次年度は、プロトタイプシャワーカロリメータの設計・建設が主たる目標である。
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