2006 Fiscal Year Annual Research Report
多重エアロジェル幅射体を用いたコライダー実検用RICH検出器の開発
Project/Area Number |
17340072
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯嶋 徹 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80270396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井門 孝治 名古屋大学, 大学院理学研究科, 研究員 (40350433)
原 康二 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (90432236)
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Keywords | 放射線検出器 / シリカエアロジェル / チェレンコフ検出器 / 半導体検出器 |
Research Abstract |
多重エアロジェル輻射体という新しいアイデアに基づくリングイメージング型チェレンコフ検出器(RICH)の開発研究を行った。多重エアロジェル輻射体とは、屈折率が異なる複数枚のエアロジェル輻射体を粒子の通過方向に配したもので、これによって、RICH検出器の性能限界の要因となるチェレンコフ光発生点の不定性による角度分解能の悪化を避けながら検出光子数を増加させることが可能となる。以下の成果が得られた。 ビームテストによる原理検証 前年度に2重〜4重輻射体を用いて行ったビームテスト実験のデータ解析を進め、多重輻射体の原理導入によって角度分解能(約13mrad)を保ったまま、検出光子数を約1.5倍(約6個から9個へ)改善できることが実証し、さらに、輻射体の屈折率や厚さの組み合わせ方の最適化に関する考究を進めた。 エアロジェル輻射体の性能改善 この検出器原理に最適な輻射体として、二層ないし三層の異なる屈折率層を持つ一体型エアロジェル輻射体の製作方法の考究と試作を行った。単層タイプと同程度の透過率など良好な結果を得つつある。 光検出器の開発 ガイガーモードAPDと呼ばれる新しいタイプの半導体検出器とライトガイドを組み合わせた光センサーのデザインを行った。ガイガーモードAPDの量子効率、時間分解能、ノイズ特性に関する詳細な調査を行い、シミュレーションによってこれを用いた場合のエアロジェルRICHの性能の定量的な評価を行った。その結果、多重エアロジェル輻射体の上流側輻射体で発生したチェレンコフ光をより有効に捉えることが可能となり、検出光を最大で約4倍に向上できることがわかった。
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