2005 Fiscal Year Annual Research Report
大型水チェレンコフ装置による超高エネルギー大気及ビ宇宙ニュートリノの研究
Project/Area Number |
17340073
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 好孝 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (50272521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 文雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80184224)
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Keywords | ニュートリノ / 宇宙線 / 地下実験 / 宇宙物理 / 水チェレンコフ / 高エネルギー天体 / スーパーカミオカンデ / 粒子加速 |
Research Abstract |
地下千メートルに設置された5万トンの大型水チェレンコフ装置スーパーカミオカンデ(以下SKと略)を用いた超高エネルギーニュートリノ研究として、本年度は以下の研究を行った。 1)SKでの超高エネルギーイベントに伴う大光量のチェレンコフ光の正しい測定を可能にするために、フラッシュADCに記録された光電子増倍管波形と入力光量の対応関係を幅広いレンジで測定し、従来の限界であった200光電子以上の入射光量に対しても正しく測定が行われるようにレーザー光を用いたキャリブレーションをSK装置にて行った。 2)光電子増倍管自体の入射光量に対する線形応答性とその限界をチェックするためのテストベンチの製作に着手した。本年度ではサブナノ秒のスピードで大光量を発生できるレーザーを購入し、小光量から大光量まで自由に入射光量を設定できるテストベンチを製作した。 3)SKでの測定可能最大光量とその線形応答性が改善した場合に、超高エネルギーニュートリノ事象の再構成にどのようなインパクトがあるかの検討を開始した。 4)超高エネルギーニュートリノ探索の一環として、2005年12月27日発生した巨大ソフトガンマ線バースト現象からのニュートリノ探索を進め、この現象での発生ニュートリノフラックスの上限値を求めた。この結果は物理学会、天文学会、他の研究会で報告され、現在投稿準備中である。 5)超高エネルギーニュートリノ探索の一環として、内水槽でのチェレンコフ光が測定不能なほどの超高エネルギー上向きニュートリノ事象について、外水槽の情報を基に事象を再構成する方法により探索を進め、宇宙起源の超高エネルギーニュートリノについての上限値を得た。この結果は投稿準備中である。またこのような内水槽で大光量を落とすような上向きμ事象について、フラッシュADCデータの取得が可能になるようなトリガーの開発の検討を始めた。
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