2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロレンズ追尾観測ネットワークによる新天体の探策
Project/Area Number |
17340074
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 文雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80184224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 好孝 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (50272521)
増田 公明 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (40173744)
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80202323)
さこ 隆志 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (90324368)
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Keywords | 宇宙物理 / 天文 / 光学赤外線天文学 / 惑星起源進化 |
Research Abstract |
平成17年度は、本研究の最初の年度にあたる。1.8m新望遠鏡は、5月に観測を開始したが、リアルタイムデータ解析などの準備があるため、今年度は従来からの61cm望遠鏡による探索を継続した。銀河中心の観測が終了した11月にCCDカメラを交換して、61cm望遠鏡を追尾観測専用に改造した。 追尾観測に関する各国研究者の関心は非常に高く、初年度から広範な国際共同研究が実現し、成果を挙げることができた。まず、5月に早速OGLE-2005-BLG-071事象に異常が発見され、各国の研究グループが互いにデータを提供し合って解析を行い、これが木星質量の惑星によるものと判明した。マイクロレンズ法による2番目の太陽系外惑星の発見である。我々MOAは、61cm望遠鏡のデータがこの事象を捕らえていた。国際協力による成果は、その後も続いた。7月には、OGLE-2005-BLG-390事象に異常が見つかり、PLANET/Robonet、OGLE、MOAなど各国のグループでデータを持ち寄って解析した結果、主星から3AU程度の距離にある、地球質量の5倍程度の惑星と判明した。これまでに見つかった中では、最軽量の太陽系外惑星であり、最初の"冷たい"低質量惑星の発見である。この結果は、平成18年1月発行のNatureに掲載され、話題を集めた。生命の存在の可能性のある、地球型惑星の発見に向けて、大きく前進したと言って過言ではない。 この様に、多大な成果を挙げることに成功したが、さらに多くの望遠鏡を動員し研究をさらに発展させるべく準備を進めた。本年度は、ベネズエラを訪問し、またインドなど各国とも連絡を取り、平成18年度以降に新たに観測を行うための交渉を行った。また、平成18年に1m望遠鏡が新設される石垣島では、追尾観測が開始できることになり、準備を開始した。今年度購入した、Apogee U47+CCDカメラは、石垣島での観測に使用する。また、データ解析については、従来のInverse-Ray Shootingに加え、高速に連星レンズの解を発見できる、浅田らによる解法のプログラムを作成し、評価を行っている。
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Research Products
(5 results)