2005 Fiscal Year Annual Research Report
液体-気体2相型キセノン検出器による暗黒物質探索実験
Project/Area Number |
17340082
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30318828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 茂栄 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (50313044)
寺沢 和洋 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (10329138)
錦戸 文彦 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (60367117)
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Keywords | 宇宙線 / 素粒子物理 / 宇宙物理 / 粒子測定技術 |
Research Abstract |
前年度に組み上げた放射線シールド内に検出器を置き、単純なシンチレーターとして検出器を動作させ、放射線バックグランドの測定を行った。暗黒物質の存在領域と考えられる50keV以下の低エネルギー領域でのバックグラウンドが2event/kg/keV/day以下であることが分かった。この測定結果と各材質の放射性不純物の含有量をもとにシミュレーションにより求めたエネルギー分布を比較し、さらなる低バックグラウンド化を検討した。その結果、光電子増倍管のさらなる低バックグランド化を積極的に進める必要があることが分かった。 現検出器のようにMgF2の窓越しに光電子増倍管を置くよりも、検出器内部に設置した方が検出器の感度を倍近く高くすることができ、これは将来、検出器の大型化を進めるためにも必要不可欠なことである。そのためには、光電子増倍管を液体キセノン中の-100℃の低温下で使用することになるが、このような光電子増倍管の低温下での動作試験を行った。その結果、低温下での方が常温でよりも光電子増倍管の量子効率と増幅率共に10%以上向上することが分かった。 本研究は、長期に渡り実験を継続するため、想定出来るあらゆる事故に対処出来るように安全装置を強化しておく必要がある。検出器本体及び断熱用真空容器に破裂板を装着し、それらが破れた場合はキセノンが速やかに回収用容器に流入し、冷却固化されるような装置を補強することにより万全の安全対策を施した。それに加え、実験中、研究分担者は大学院生を含め必ず1人以上神岡の施設に駐留することにより安全管理を徹底して行った。
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