2007 Fiscal Year Annual Research Report
液体-気体2相型キセノン検出器による暗黒物質探索実験
Project/Area Number |
17340082
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 Waseda University, 理工学術院, 教授 (30318828)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 茂栄 東京大学, 宇宙線研究所, 準教授 (50313044)
寺沢 和洋 慶應大学, 医学部, 助教 (10329138)
錦戸 文彦 放射線医学総合研究所, 医学物理部, 研究員 (60367117)
|
Keywords | 宇宙線 / 素粒子物理 / 宇宙物理 / 粒子測定技術 |
Research Abstract |
・コリメートした57Coからの122keVγ線を検出器に照射し、それにより発生する比例蛍光の信号を上部にある7本の光電子増倍管から読み出し、その光量重心から水平方向の位置精度を求めた。径方向、法線方向ともに数mm程度であることが分かった。 ・電離電子に対するキセノンの純度を向上させるために、純化用のゲッターを1台増やし2台を直列で使用し、さらに検出器の真空・焼き出しを注意深く行った。その結果、液体キセノン中で数μsec程度しかなかった電離電子の寿命を80μsecまで増加させることができるようになった。 ・陽極とグリッドのワイヤーに直交する方向に3本の補強用のワイヤーを加え、従来のワイヤーを長さ方向に4分割する補強を行った。それにより、陽極-グリッド間の電場が5kV/cm付近で放電していたのが、7kV/cmまで維持できるようになった。 ・中性子(241Am-Be線源を使用)を照射して、キセノン原子核の弾性散乱に対する検出器の反応を調べる実験を行った。その結果、1keV近辺の低エネルギーに至るまで、γ線、β崩壊等の電子に起因する信号と弾性散乱による信号を識別することが十分に可能であることが分かった。さらに、比例蛍光によるトリガーを用いることにより、3次元検出器として利用することができ有効領域を制限することが可能となった。例えば、壁から3cm以上離れた部分を有効領域とした場合、80%以上のバックグラウンドをカットできることが分かった。
|
Research Products
(3 results)