2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340090
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡 泰夫 東北大学, 名誉教授 (60013520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 明宏 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (00333906)
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Keywords | スピンダイナミクス / 半導体 / 磁性半導体 / 複合ナノ構造 / フォトルミネッセンス / 磁性体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、磁性半導体複合量子構造において、電子スピンの光制御法を確立することである。このため、磁性イオンを含む磁性半導体と強磁性体の複合量子構造を設計・作製し、次元性を制御した複合磁性構造に発現される巨大磁気光学特性、スピン物性を明らかにし、電子スピン機能性を研究した。 磁性半導体複合量子構造の作製は、分子線エピタキシーによる磁性半導体成長と、超高真空スパッターによる磁性金属膜の成長を併用し、CdSe系、ZnSe系のMnイオンを含む二次元磁性半導体量子井戸およびCo系磁性層を直接結合させた複合量子構造を作製した。また、電子線リソグラフィーを用いて、量子ドット、2次元量子井戸からなる「磁性半導体複合ナノ構造」を作製した。 作製された磁性半導体複合構造について、フェムト秒波長可変レーザーパルスで選択励起を行い、磁場印加の下での円偏光特性を持った励起子発光の時間分解スペクトルをストリークカメラにより計測した。この結果を解析し、電子や励起子のスピン注入や緩和などのスピンの動的過程を明らかにした。また、フェムト秒パルスレーザーを用いた過渡的ポンププローブ分光により、二重量子井戸構造における電子・正孔のトンネル過程、スピン注入過程、エネルギーやスピンの超高速緩和過程を明らかにした。これらの結果は、磁性半導体複合量子構造における電子スピンの整列、トンネル、注入、緩和など「電子スピンの光制御」を実証、実現したものである。
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Research Products
(7 results)