2006 Fiscal Year Annual Research Report
温度可変型STMによる個々の原子の運動、核形成及びナノクラスター成長機構の解明
Project/Area Number |
17340091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須藤 彰三 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (40171277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐崎 元 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (60261509)
山田 太郎 理化学研究所, 先任研究員 (10174723)
早川 美徳 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20218556)
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Keywords | ナノクラスター形成 / 拡散運動 / 核形成 / STM / 結晶成長 |
Research Abstract |
申請書に基づき、以下の実験装置の設置、研究を行った。 (1)基板と相互作用の弱い系でのFS-STMを用いた個々の原子の運動、クラスター形成過程の研究 (担当:須藤、佐崎) 個々の原子の運動を、直接の時間スケールで観測するために、本申請の温度可変高速走査型トンネル顕微鏡(FS-STM)を購入しセットアップを行った。Si(111)7×7表面の原子像が、従来のものよりも約10倍程度高速で得られるようになった。この装置を用いて、銀原子をSi(111)7×7表面に微量吸着し、吸着後3時間までのSTM実時間観察を行った。その結果、Ag1量体の拡散運動、2,3量体(クラスター)の形成過程を実時間観察し、その時定数を明らかにした。さらに、2量体は回転運動をしていることを実験的に示した。 (2)基板との相互作用の弱い系でのナノクラスター成長過程のVT-STM観察 (担当:須藤、佐崎、山田、早川) 水素終端シリコン表面を用い、有機物ペンタセンの成長過程を観察した。特に、微傾斜表面を用いてステップの影響を調べた所、ステップが著しい成長の異方性を導入し、ステップ下段方向への成長が上段方向に比べて著しく早いことが明らかになった。 (3)基板との相互作用の強い系でのナノクラスター成長過程のVT-STM観察 (担当:須藤) Si(111)7×7表面上のプラチナクラスターの成長過程を明らかにした。また、加熱することにより、プラチナシリサイドの形成過程、その際構成表面の構造をはじめて観察することに成功した。 (4)シリコン表面の修飾 (担当:山田、須藤) 重水素終端Si(111)1×1を高品位で作成することに成功し、高分解能電子エネルギー損失分光器を用いて、表面フォノンを観察した。その結果、従来の理論に、系統的な"ずれ"があることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)