2007 Fiscal Year Annual Research Report
温度可変型STMによる個々の原子の運動、核形成及びナノクラスター成長機構の解明
Project/Area Number |
17340091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須藤 彰三 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (40171277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐崎 元 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (60261509)
山田 太郎 東北大学, 理化学研究所, 先任研究員 (10174723)
早川 美徳 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20218556)
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Keywords | ナノクラスター形成 / 拡散運動 / 核形成 / STM / 結晶成長 |
Research Abstract |
固体表面では個々の原子が観察可能で、例えば蒸着された原子がどのように拡散しながらクラスターなどの安定構造を形成して行くかを調べるのに適した1つの系である。特にクラスターを構成する原子がお互いに或いは表面とどのように結合して安定するかを観察すれば、配列状態、表面反応、触媒作用、デバイス的動作等を原子1個の精度で解析することが可能である。我々はSi(lll)表面において拡散によって運動するAg原子が7×7構造の長周期ポテンシャルに1個1個捕らえられながらクラスターに成長して行く様子をほぼ実時間でn=10以上まで追跡することが出来た。その結果Ag原子はn=3まではポテンシャル内に束縛されつつ、ある程度動き回る。n=4以上で運動は弱まり、拡散で移動してくる次のAg原子を取り込みながら更に大きなクラスターへと成長して行くことを初めて明らかにした。このようにして(Ag)10までの過程を追跡した。その解析から、Ag原子は、1個1個が飛び移り(Ag)nクラスターを形成すること、(Ag)nクラスターの隣のサイトにある原子は、(Ag)nに飛び移るレートが高いこと、そのレートは原子数nに依存し、nが大きくなるにつれて高い(早くなる)ことが明らかになった。さらに、副格子内の運動も観測され、(Ag)2クラスターでは、0.5msで回転している可能性が高い。 このような副格子内の運動は、(Ag)nクラスターの形成過程にも影響を及ぼす。例として、(Ag)4クラスターは、一の字状の明るい像を作る。このクラスターは、時間と共に等価な3方向を向く。(Ag)5の形成経路として、各方向に対して3方向がある。しかし、1つの配置でのみ起こり(Ag)5クラスターが形成されることが明らかとなった。
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Research Products
(15 results)