2005 Fiscal Year Annual Research Report
結合ナノ構造中3He温度電子スピン密度分布のイメージング
Project/Area Number |
17340093
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野村 晋太郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (90271527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 洋一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (50126009)
山本 貴一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (20342868)
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Keywords | ナノ構造 / 近接場 / 極低温 / 強磁場 / 量子ドット |
Research Abstract |
本研究の目的は電子密度分布、スピン密度分布の測定から、規則構造を有する配列ナノ構造特有の物性を明らかにすることである。そのために、まず本年度は、mK領域での円偏光分光測定に最適化した広い試料空間をもつ3He冷凍機を設計、製作した。超伝導磁石のボア径として76.2mmのものを選択し、試料空間としてφ70mmを確保した。この中に設置する近接場光学顕微鏡の直近に設置するための小型の光弾性変調素子を製作し、その動作を検証した。この光弾性変調素子を設置するために、冷凍機の3He-4He混合器は中心軸からずらしたところに設置し中央部に空間を設けた。また、近接場光学顕微鏡を設計、製作した。水晶振動子の振動数の変化からプローブ先端と試料との距離を測定する手法を採用し、実際に画像を取得した。 外部制御可能な半導体配列ナノ構造試料を電子線リソグラフィー法により作製し、電子系の結合の大きさを制御してその電子状態を極低温中発光スペクトルから観測した。また、低温での空間分解光学測定を行い、電子分布に関する知見を得た。本年度は空間分解に注力し、偏光分光測定には踏み込まなかった。電極に印加する電圧を制御してナノ構造試料中の電子数を精密に制御した。この試料の発光測定を磁場中で行った。磁場中ではランダウ準位が形成され、その傾きから電子-正孔換算質量を求めることができる。このようにして電子-正孔換算質量を電極に印加する電圧を制御して異なる電子密度の場合について求めることにより、電子-正孔換算質量が10^<10>cm^<-2>代の低電子密度領域で増大することを見いだした。
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Research Products
(6 results)