2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340120
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中川 賢一 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助教授 (90217670)
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Keywords | ボーズ凝縮 / 原子光学 / レーザー冷却 / 量子光学 |
Research Abstract |
本年度は従来より行ってきたアトムチップと呼ばれる基板上の電流が作る微細磁場ポテンシャルを用いて極低温原子を操作する技術の開発を行った。開発したアトムチップはシリコン基板上にフォトリゾ技術を用いて微細な金電極パターンを作成したもので、このアトムチップを用いて実際に^<87>Rb原子を用いてボーズ凝縮体(BEC)の生成を行い、装置の最適化を行うことにより最大20000個のBEC原子の生成が可能となり、またその生成時間も従来の方法の1/10以下の3秒以下が可能となり、これは今後チップ上でBEC原子を用いた量子原子光学の研究を行うのに十分なものである。次に磁場と光のポテンシャルを併用することによりチップ上のBEC原子を用いた原子干渉計を実現し、高いコントラストの干渉信号を得ることができた。得られた干渉信号のコントラストが主に原子間相互作用によって決まっていることを理論的な解析および実験によって明らかにした。これらの研究結果よりアトムチップ上におけるBEC原子のコヒーレントな操作が十分可能であることが確認された。 従来の電流が作る磁場ポテンシャルを用いたアトムチップにおいては基板上の金属電極が原子におよぼすデコヒーレンスや加熱が問題になっていたが、それを改善するため磁場と電場の両ポテンシャルを併用する新しいアトムチップの設計およびその試作を行った。新しいアトムチップでは薄い電極を用いて電場を発生させ、この電場ポテンシャルによってBEC原子を操作するものである。今までのところシリコンおよびガラス基板上にそれぞれ磁場および電場用の電極パターンの作成が完了しており、現在この新しいチップを用いたBECの生成および操作を行うための実験の準備を行っている。
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Research Products
(1 results)