2006 Fiscal Year Annual Research Report
細菌べん毛フックの自在継ぎ手としての力学原理の解明
Project/Area Number |
17340126
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
吉村 英恭 明治大学, 理工学部, 教授 (70281441)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相沢 慎一 県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (50222451)
中野 隆 東京工業大学, 大学院情報処理工学研究科, 助手 (00183517)
桃園 聡 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (70262300)
立川 真樹 明治大学, 理工学部, 教授 (60201612)
|
Keywords | 細菌べん毛 / フックフィラメント / 弾性率 / ヤング率 / 蛍光顕微鏡 / 電子顕微鏡 / レーザトラップ |
Research Abstract |
当該研究は細菌べん毛フックフィラメントのユニバーサルジョイントとしての機能を解明するために、その力学定数を測定することを目的としている。今年度当初にたてた5項目の計画については、以下のような結果が得られた。 1,電子顕微鏡での弾性定数の計測 菌体より単離したフラジェラフィラメントおよびポリフックフィラメントを急速凍結・凍結乾燥し、そのらせん直径・ピッチのゆらぎから弾性定数を算出したが、フラジェラフィラメントに関しては直径が大きく立体構造を残したまま乾燥させることができなかった。フックフィラメントの弾性定数はフラジェラフィラメントのゆらぎをもとに計算したので、今年度はフラジェラフィラメントの立体構造を保ったまま凍結乾燥できるように凍結条件などをさぐる。 2.リコンビナントフック蛋白質の精製とフィラメントの再構成 スーパーポリフック株を用いてフック蛋白質の精製を行った。電気泳動で単一のバンドを得た。タンパク質の量を十分確保し、フィラメントの再構成を行う予定である。 3.フック蛋白質の蛍光染色、および抗体作製 Alexa Fluor 488を用いて蛍光染色を試みたがフックをうまく染色できなかった。今後溶液条件や色素を変えて引き続き染色を試みる。また精製フック蛋白質をもちいてフック抗体を作る予定である。 4.倒立型蛍光顕微鏡によるフィラメントの弾性定数直接測定 蛍光染色したフラジェラフィラメントを抗体により固定し、フィラメントにかかる力とフィラメントの伸びを直接測定し弾性定数を求めことを試みた。細いガラス棒の先端にフラジェラ抗体を付け、スライドグラスに抗体または化学物質(Sigma-cote)で固定したフィラメントの他端に結合させて引っ張り、ガラスのたわみとフィラメントの伸びから弾性定数を測定する予定であるが、昨年度はこの固定技術の習得に時間がかかった。今年度はガラス細管を作る装置を導入して能率化を図り統計的に意味のあるデータをとれるようにする。またポリフックフィラメントに関しても弾性定数の直接測定を蛍光染色をして試みる予定である。 5.らせんピッチや半径の揺らぎから計算によりフックフィラメントの弾性定数を出せるようにする。 フックフィラメント、フラジェラフィラメントとも実験的におよその弾性率がわかったので、計算方法についての検討を行った。
|