2005 Fiscal Year Annual Research Report
火山噴火準備過程におけるマグマの移動現象に関する研究
Project/Area Number |
17340128
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 裕一 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30220073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 茂 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (90237214)
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Keywords | 火山噴火準備過程 / 火山性地震活動 / 火山性地殻変動 / 伊豆大島火山 / マグマ蓄積過程 / 火山観測 |
Research Abstract |
本研究の目的は,伊豆大島をひとつのフィールドとして,火山噴火に至るまでの準備過程を地震及び地殻変動の地球物理観測データに基づき解明することである.この研究の遂行のためには,噴火準備過程という噴火現象に比べて極めて微弱な前兆現象を高い精度で観測し,それを精密に解析することが必要不可欠である. 計画研究の初年度である本年度は,これまで別の資金を投じて最低必要限の装備であった伊豆大島における地震及び地殻変動観測網の拡充を図り,観測機能の強化を図った.具体的には,既設GPS受信機のメモリ増設し,通信トラブルによる欠測を起こさないように改善した.また,収集した大量のデータを収録する大容量RAIDディスク・システムの整備を行った.更に,GPSによる地殻変動解析のソフトウエアを購入し,これまでの解析結果と比較することにより,GPSによる地殻変動解析の一つの誤差要因である大気伝播遅延の季節変動と火山起源の長周期地殻変動の判別を行った. 本年度に行った解析結果は以下のようにまとめられる.1)GPS観測で見られていた長周期変動は,大気伝播遅延の季節変動である可能性は低く,ほとんど火山活動起源であることが検証できた.2)長周期変動の膨張源である三原山カルデラ内部で発生する地震は、地殻変動レートと極めてよい相関がある.また,震源再決定を行うと,1986年噴火のB火口列,C火口列上の面上に並ぶ.3)1986年の噴火で噴出したマグマの成分が火口から噴出したものと割れ目噴火から噴出したものが異なることなどを考えると,現在のカルデラ内部での地震活動は,1986年の噴火の割れ目噴火で噴出したマグマ溜りへのマグマの供給過程である可能性が高い.4)昨年11月から今年2月にかけては,これまで発生していたカルデラ北部ではなく,カルデラ南東部で膨張があった. 来年度以降,上記の現象を詳細に検証し,噴火準備過程の本質であるマグマ蓄積過程の解明に努めたい.
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Research Products
(3 results)