2005 Fiscal Year Annual Research Report
レシーバ関数トモグラフィー法による日本列島下の地震波速度不連続面の研究
Project/Area Number |
17340130
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平原 和朗 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40165197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 拓郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70187417)
古村 孝志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (80241404)
田所 敬一 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 助手 (70324390)
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Keywords | レシーバ関数 / 地震波不連続面 / 基盤構造 / モホ面 / 上部マントル地震波速度 / 高感度加速度記録 / トモグラフィー / ガウシアンビーム |
Research Abstract |
本年度は、主として、K-net、KiK-netの加速度地震記録から、地殻表層部の地震波不連続面を、また高感度加速度計によって観測されたレシーバ関数(RF)を用いて、地殻および上部マントルの地震波不連続面の構造を調査した。また、レシーバ関数トモグラフィー法の開発に向けて、ガウシアンビーム法の改良歩法を検討した。 まず、地殻表層部の基盤と堆積層境界の地震波不連続面の構造を、K-netおよびKiK-netの加速度地震計からレシーバ関数を作成し、調査した。具体的には、濃尾および伊勢平野に展開された、観測点の近地地震記録を解析し、基盤/堆積層境界からのPs変換波を捉えることができた。各観測点でのPs変換波の方位依存性は、愛知県・三重県から公表されている基盤構造とよく一致し、K-netおよびKiK-net加速度記録は、地殻表層の詳細な基盤構造研究に有効であることを示すことができた。 上部マントルの410・660kmおよびプレート上面・下面の地震波不連続面はこれまで、広帯域地震観測網から得られたレシーバ関数により調べられてきたが、観測点密度は短周期地震観測網に比べ十分とは言えない。そこで、日本全国に展開された、高感度加速度計(傾斜計)観測網により、レシーバ関数作成が可能かどうか検討した。傾斜計記録は水平動成分しかないため、震源時間関数を含む上下動成分を広帯域地震計をスタックして作成し、レシーバ関数を合成した。その結果、短周期地震計観測網に匹敵する観測点密度である程度長周期成分まで含んだレシーバ関数を作成するすることが可能になり、上部マントルの地震波不連続面の構造に大きな進展をもたらすことを示すことができた。 レシーバ関数トモグラフィーの3次元不均質構造に対する波形合成法として、ガウシアンビーム法の改良を行った。
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