2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工電流源海底電磁探査によるプレート境界地震発生域の流体分布推定とモニタリング
Project/Area Number |
17340134
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
後藤 忠徳 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90303685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠谷 貴史 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90373456)
荒木 英一郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, 研究員 (60359130)
浅川 賢一 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, グループリーダー (40344288)
佐柳 敬造 東海大学, 海洋研究所, 助教授 (40332308)
|
Keywords | 人工電流源電磁探査 / 地下電気伝導度構造 / 海底電位差磁力計 / 海底地震計 / 海底ケーブル / 海底電磁気観測 / 海底地震・地殻変動観測 / 東海沖 |
Research Abstract |
H17年度のFeasibility Studyの結果、東海沖に設置したOBEM1台のデータおよび実海域での人工電流源を用いた海底電気探査の結果を踏まえて、H18年度は海底ケーブル先端に接続する電磁場モニタリングシステム(DOMES)を開発した。DOMESは、4成分電位差計と小型磁力計からなり、海底において人工および自然信号源からの電磁場信号を受信可能なものである。これによって、1)人工信号および自然信号を用いた海底下の地殻電気伝導度モニタリング、2)応力変化や間隙水圧変化に伴う自然電磁場の変動の検出が可能となる。完成したDOMESおよびH17年度作成したケーブル接続型長期地震計・圧力計(S-SMAD)が海底ケーブル先端に接続可能かどうかをチェックするため、H18年度12月には水槽内での接続試験が実施された。模擬海底ケーブルを用いてDOMESおよびS-SMADへ給電・通信を行った結果、試験結果は良好であった。 H18年度1月には、豊橋沖海底ケーブルを用いた海底下モニタリングに先立って、同海域の地殻電気伝導度構造をあらかじめ知る目的で、自己浮上式の海底電位差磁力計(OBEM)および海底電位差計(OBE)合計6台を東海沖海域へ設置した。設置時にはJAMSTEC調査船「なつしま」を用いた(NT07-01航海)。またこの航海ではROV「ハイパードルフィン」によって、豊橋沖海底ケーブル先端付近の海底観察および地殻熱流量調査を行い、この海域が海底長期観測を行うのに適した底質であり、環境であることを確認した。さらに同ROVによって、人工電流の受信装置の海底面への展開を実施した。H18年度2月(なつしまNT07-03航海)には、先に設置したOBEMなど6台を自己浮上により全台回収することに成功した。 H18年度3月にはKDDI所有のケーブル敷設船「KDDパシフィックリンク」へ乗船し、豊橋沖海底ケーブルの引き上げ作業およびDOMESなどのセンサーを取り付けを可能とする先端加工作業(分岐装置の取り付け)を行った。諸作業後に豊橋沖海底ケーブルを元の海底へ戻すことに成功した。これによって、H19年度にDOMESなどの海底センサーを豊橋市沖合50kmの海底ケーブル先端に接続する準備が整った。 以上の研究の現状の紹介、海底電気探査の成果および間隙水圧変動に伴う電磁場変動現象に関して、複数の研究成果として報告した。
|
Research Products
(4 results)