2008 Fiscal Year Annual Research Report
豪雨の力学的予測のための初期値解析と予測信頼性の評価に関する研究
Project/Area Number |
17340142
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
斉藤 和雄 Japan, Meteorological Research Institute, 予報研究部, 室長 (70391224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青梨 和正 気象庁気象研究所, 予報研究部, 主任研究官 (50354444)
原 昌弘 気象庁気象研究所, 予報研究部, 主任研究官 (30354450)
瀬古 弘 気象庁気象研究所, 予報研究部, 主任研究官 (60354445)
小司 禎教 気象庁気象研究所, 予報研究部, 主任研究官 (70354446)
川畑 拓矢 気象庁気象研究所, 予報研究部, 主任研究官 (80354447)
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Keywords | 豪雨予測 / 初期値解析 / 予測信頼性 / 4次元変分法 / 非静力学モデル / アンサンブル予報 / アンサンブルカルマンフィルタ / データ同化 |
Research Abstract |
前年度までの成果をもとに、(1)変分法初期値解析手法の高度化、(2)リモートセンシング観測データ同化手法の研究、(3)メソアンサンブル予測手法の構築、(4)アンサンブルカルマンフィルタの研究を進め、集中豪雨力学的予測についての実証試験を行った。 (1)2005年9月の首都圏豪雨事例について、雲解像度4次元変分法に暖かい雨の雲物理過程を導入してレーダー反射強度を同化する実験を行うとともに、インクリメンタル法のテストを行った。また雲解像モデルのアンサンブル予報を用いた変分法的同化手法(最尤アンサンブルフィルタ)のプログラムを作成した。 (2)地上GPS視線遅延量同化手法の改良、GPS掩蔽データバイアスの評価を行った。マイクロ波放射計データの同化として、非球形の固体降水粒子について放射計輝度温度の観測演算子を開発した。2008年7月の北陸・近畿の豪雨についてGPSデータの4次元変分法同化により予報が大きく向上することを確認した。 (3)WWRP北京オリンピック予報実証研究開発プロジェクトに参加し、北京域を対象とする15kmメソアンサンブル予報の準リアルタイム実験を行った。実験に先立ち、特異ベクトル法、BGM法、アンサンブルカルマンフィルタなど各種初期値摂動手法を開発し、摂動手法としてのパフォーマンスを調査した。また境界値摂動手法を開発し、アンサンブルスプレッドやアンサンブル平均が向上することを確認した。日本域対象とするメソアンサンブル予報実験を行い、降水予測精度が調査するとともに、特異ベクトル法に基づく感度解析を行った。 (4)局所アンサンブル変換カルマンフィルタでGPS可降水量を同化する実データ同化実験を行い、2008年7月の北陸・近畿の豪雨や8月の岡崎豪雨の事例で良い結果を得た。また正20面体全球非静力学モデルNICAMの局所アンサンブル変換カルマンフィルタを開発した。
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Research Products
(62 results)