2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340143
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小寺 邦彦 名古屋大学, 環境学研究科, COE特任教授 (70343887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 清孝 気象庁気象研究所, 環境応用研究部, 室長 (50354494)
黒田 友二 気象庁気象研究所, 気候研究部, 主任研究官 (80343888)
行本 誠史 気象庁気象研究所, 気候研究部, 主任研究官 (90354464)
仲江川 敏之 気象庁気象研究所, 気候研究部, 主任研究官 (20282600)
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Keywords | 気候変動 / 太陽活動 |
Research Abstract |
熱帯成層圏では人工衛星による観測が始まるまではゾンデによる観測が少なく、また観測機器や補正方法の違いから長期間のデータを用いて11年の太陽活動の影響を明らかにすることは困難であった。下部成層圏の気温への太陽活動の影響は力学的な加熱の結果起こるので気温傾向、ここでは8月と6月の気温差を調べることでその影響を明らかにした。また成層圏循環が対流圏に影響を及ぼす過程をまず明らかにするために突然昇温に伴う熱帯対流圏での循環の変化、特に積雲対流活動の変化を絹雲や降水の衛星データーを用いて調べた。 またモデルにより太陽活動の結果起こる成層圏循環の変化が下層に及ぶプロセスを調べる為に、気象研究所とベルリン自由大学の大気モデルに同一の外部強制力を与え成層圏に西風加速を作り出しそれがどの様に対流圏の循環に影響を及ぼすか、あるいはその応答がモデルによりどの様に異なるかを永続する北半球の冬の条件で調べた。成層圏の温度場には4極構造など、突然昇温に伴って現れる偏差場と良く似た変化が現れた。また残差循環を見るとどちらのモデルの場合も下部成層圏赤道域で上昇流が抑えられ、気温の上昇が見られた。またどちらも成層圏の残差循環は対流圏へと繋がっており赤道の南で上昇が抑制され、逆に赤道の北で増加する傾向にあった。 ベルリン自由大学、レディング大学の研究協力者と共に本研究が課題としている「成層圏の化学的・力学的過程を通した太陽活動の影響」に関するワーキンググループ(SOLARIS)の第1回の会合を2006年10月、米国大気科学研究センターにおいて開催した。ヨーロッパ・アメリカ・日本を中心として約40名が参加して主に数値モデルを用いた太陽活動の影響について議論をおこなった。また、これに引き続き開催されたSPARC計画の推進委員会で太陽活動の影響に関する研究の現状と取り組みについて報告をおこなった。
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Research Products
(5 results)