2005 Fiscal Year Annual Research Report
昼間観測のためのナトリウム温度ライダー用超狭帯域光学フィルタの開発と特性測定
Project/Area Number |
17340144
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川原 琢也 信州大学, 工学部, 助教授 (40273073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿保 真 首都大学東京, システムデザイン部, 助教授 (20167951)
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Keywords | 磁気光学フィルタ / ファラデー効果 / ナトリウムセル / ナトリウムライダー / 昼間観測 |
Research Abstract |
ナトリウム温度ライダーの昼間観測のために、太陽光による強い背景光をカットし、高信号対雑音比で観測を行うための磁気光学フィルタ(ファラデーフィルタ)の開発を行っている。問題点はフィルタの心臓部であるナトリウムを封じたガラスフィルタ(市販品はパイレックスガラス製、直径25mm長さ25mm)の安定性に集約し、そのため高温ナトリウムに対して耐食性のある材質での新型セルの製作を進めている。問題点としては、耐食性の高い材質でかつ否磁性であること、製作までの加工性、製作時に行う真空引きに適した材質/構造などである。 初年度としては対ナトリウム耐食性の高い材質の調査、選定とそれによる試作品の評価を行ってきた。調査の結果、最も優れていると思われる材質は単結晶サファイアで、円筒形のボディと光学窓の全体をサファイアで製作するのが理想であることがわかった。しかしダイアモンドに次ぐ硬度を持ち更に融点が2000℃にもなる材質でセルを製作するには一部の企業しかもち得ない極めて特殊な技術が必要で、製作費は現実的ではないと判断した。そこで発想を変え、次の2種類のタイプでセルを試作している。 (1)窓:単結晶サファイア(無偏向)、ボディ:サファイア粉末を焼き固めたアルミナセラミックス、真空への引き口:アルミナセラミックス (2)窓:単結晶サファイア(無偏向)、ボディ:インコネル(ニッケル系合金)、真空への引き口:インコネル 異なる材質の接合で問題になるのは熱膨張係数であるが、上記に関しては既に接合技術があり試作品を通して問題ないことを確認している。今年度はナトリウムを封じてセルの製作まで行う。 ファラデーフィルタの透過率測定光学システムを組んだ。またその計測ソフトウエアも完成した。今年度は仮のセルを用いてテストを行い、新型セルの完成に備える。
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