2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340169
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
村松 康行 学習院大学, 理学部, 教授 (70166304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天知 誠吾 千葉大学, 園芸学部(自然科学研究科), 助手 (80323393)
松崎 浩之 東京大学, 原子力研究総合センタータンデム加速器研究部門, 助教授 (60313194)
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
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Keywords | ヨウ素 / ヨウ素-129 / 生物地球化学 / 分析法の検討 / 化学形態 / 鹹水 / 土壌 / AMS(加速器質量分析) |
Research Abstract |
ヨウ素の生物地球化学的挙動及び環境における濃縮を調べるため、今年度は、次の3つの視点から研究を進めた。(1)試料の採取及び安定ヨウ素の定量法の検討、(2)ヨウ素の同位体分析法(^<129>I/^<127>I比)の検討、及び、いくつかの環境試料の分析、(3)微生物によるヨウ素の濃縮や化学形態変化(酸化、メチル化など)についての検討。 (1)安定ヨウ素の分析に用いた試料は以下の通りである。千葉県、新潟県、秋田県、群馬県などからヨウ素濃度が高い地下の鹹水や温泉水を採取した。また、南海トラフのメタンハイドレートが産出する堆積物中から深度別に採取した間隙水も用いた(研究分担者の松本が以前採取したもの)。これらの試料について、ICP質量分析(ICP-MS)やイオンクロマトグラフ法を用いてヨウ素および他の微量成分を分析した。また、ヨウ化物イオンとヨウ素酸イオンを分離定量するために、イオンクロマトとICP質量分析法を組み合わせ検討し、新しい方法が確立できた。その方法を用い、鹹水、雨水、海水などに含まれるヨウ素の化学形(I^-,IO_3^-)を測定し、酸化還元状態に関する情報が得られた。 (2)AMS法(加速器質量分析)による^<129>Iの分析操作について調べた。特に、試料からヨウ素の加熱分離の条件や、溶媒抽出の条件を検討した。また、それに続くタンデム加速器(東京大学)による^<129>I/^<127>I比の測定を行い、問題点等を明らかにし、精度の向上につなげることができた。 (3)ヨウ素の化学形態変化に及ぼす微生物の影響を、土壌や海底堆積物から単離した微生物を用いて調べた。微生物が関与するヨウ素のメチル化、化学形態変化や濃縮などについての興味深い知見が得られた。
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Research Products
(5 results)