2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17340169
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
村松 康行 Gakushuin University, 理学部, 教授 (70166304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天知 誠吾 千葉大学, 園芸学部(自然科学研究), 助教 (80323393)
松崎 浩之 東京大学, 原子力研究総合センタータンデム加速器研究部門, 准教授 (60313194)
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40011762)
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Keywords | ヨウ素 / ヨウ素-129 / 生物地球化学 / 分析法の検討 / 化学形態 / 鹹水 / 土壌 / AMS(加速器質量分析) |
Research Abstract |
我が国は世界のヨウ素の約4割を産出しており、主に房総半島の地下1000-2000mに存在する〓水(塩分濃度が高い水)を原料にしている。しかし、それらの〓水の起源やヨウ素の地球化学的循環に関してはあまり良く分かっていない。また、ヨウ素の環境における濃縮や動態に及ぼす微生物の影響は重要と考えられているが、未知な部分が多い。本研究は平成17年度より開始し、本年が最終年のである。以下に研究成果の概要を平成19年度を中心に示す。 *様々な地域で採取した〓水中のヨウ素、臭素、塩素をICP-MS法で分析したところ、千葉県以外にも幾つかの地域でヨウ素濃度が高い地下水試料が見つかった。南海トラフや日本海のメタンハイドレートが産出する堆積物中の間隙水にも高濃度のヨウ素が含まれていることが分かった。海底堆積物中にメタンが集積する過程でヨウ素も同様な挙動をとっている可能性が考えられ興味深い。 *群馬県においてもヨウ素濃度が高い地下水(温泉水)が見つかった。例えば、草津・白根の湯釜火口湖中のヨウ素濃度は5ppm程あり、経年変化を調べてところ火山活動との関係も認められた。この地域におけるヨウ素の起源についてグリーンタフとの関連も視野に入れ考察中である。 *^<129>Iの我が国の環境レベルを把握するため加速器質量分析法(AMS)を用い土壌試料などの分析を行った。従来の放射化分析法に比べ、検出感度も大幅に改善した。一般的な土壌の^<129>I濃度は1.4×10^<-5>〜2.0×10^<-3>Bq/kgの範囲にあり、再処理施設がある東海村ではこれよりも3桁高い値であった。 *ヨウ素の化学形態変化への微生物の影響についての実験も行った。その結果、メチル化作用、酸化作用、還元作用についての興味深い知見が得られた。微生物とヨウ素の関わりについてはまだまだ謎が多いが、ヨウ素の地球化学的挙動に微生物が関与していることが分かった。
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Research Products
(11 results)