2005 Fiscal Year Annual Research Report
異常ドップラー効果による表面波励起を用いた弱い相対論的大電力遅波ミリ波源の研究
Project/Area Number |
17340171
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小椋 一夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40214093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 晃 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (00270934)
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Keywords | 異常ドップラー効果 / 遅波 / オーバーサイズ / 表面波 / ミリ波 / 冷陰極 / 電子ビーム |
Research Abstract |
ビーム中のプラズマ波動利用大電力電磁波源は,プラズマ基礎と応用の分野で大変重要な研究分野である。その高周波数化においては,「オーバーサイズ」と「モード制御」がキーポイントである。オーバーサイズ遅波導波管の電磁波モードは表面波となる。本研究の目的は,20GH以上からミリ波帯で,弱い相対論的電子ビーム(100keV以下)の異常ドップラー効果による表面波励起とモード制御を調べ,大電力電磁波発生に応用することである。本年度の研究実績をまとめる。 電子ビームとオーバーサイズ遅波導波管特性の改善により20GHz帯で約500kW,40GHz帯で約200kWまで出力が上昇した。ビーム回収ポートを使用することで出力に増加の傾向は見られたが,大幅な改善ではなかった。今後さらに検討する必要がある。電子ビーム実験のため真空排気系と高電圧パルス電源のトリガー系を整備した。新しいタイプの冷陰極により,陰極と陽極間の短絡を防ぎ,弱い相対論的領域で均一性の良いビームを得ることができた。 オーバーサイズ遅波導波管の電磁場特性を実験的に評価するためベクトルネットワークアナライザと校正キットを用いた評価システムを準備し,空洞共振法により20GHz帯遅波導波管の分散特性を実験的に評価した。計算と比較し,結果の正当性について検討した。ドリフト管を組み合わせた電磁場特性や不連続部の影響を調べ,モード制御に必要な基礎データを収集した。30-40GHz帯においては,導波管モードを励起するアンテナの結合度が悪くなることが判明した。今後,ミリ波帯励起アンテナの検討を進めていく。 最後に,オーバーサイズ遅波導波管内の異常ドップラー効果による遅波サイクロトロン相互作用の計算プログラムを作成し,実験に対応したパラメータでの解析を可能とした。
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Research Products
(2 results)