2006 Fiscal Year Annual Research Report
異常ドップラー効果による表面波励起を用いた弱い相対論的大電力遅波ミリ波源の研究
Project/Area Number |
17340171
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小椋 一夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40214093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 晃 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (00270934)
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Keywords | 異常ドップラー効果 / オーバーサイズ / モード制御 / 表面波 / 冷陰極 / 電子ビーム / ブラッグ反射 |
Research Abstract |
本研究の目的は,20GH以上からミリ波帯で弱い相対論的電子ビームの異常ドップラー効果によるオーバーサイズ遅波導波管の表面波励起とモード制御を調べ,大電力電磁波発生に応用することである。本年度の研究実績をまとめる。 本研究で提案している新しいタイプの冷陰極により,ビームの均一性は改善され電流密度は上昇した。ビームの発生条件を調べ,再現性を確認した。 大電力動作ではパルスショートニングが問題となる。後方の構造物への短絡は無視できるが,陰極と陽極メッシュ間での短絡が大きな問題であった。メッシュを取り除くことでパルス幅や電圧安定性が改善された。負荷変動の軽減および電源の安定化から見ると大変良い結果が得られたと言えるが,メッシュは遅波共振器で発生したマイクロ波を反射させる役目があった。本研究ではメッシュの代わりにオーバーサイズのブラッグ反射器を用いた。ブラッグ反射と新しいタイプの陰極を組み合わせることで,発振出力の安定化および増加が実現できた。また遅波導波管端の条件を変えることで,軸対称と非軸対称モードの制御が可能であることを実証した。 ベクトルネットワークアナライザを用いた評価システムにおいては,針アンテナおよび円盤型アンテナを用いてミリ波帯励起アンテナの検討を進めた。ブラッグ反射の効果を定量的に評価したが,各コンポーネントの共振モードおよび高次モードの影響も大きく,評価システムのさらなる改善が必要である。 ビームの3次元的擾乱と変位をセルフ・コンシステントに扱った数値解析の結果によると,軸対称モードと非軸対称モードの成長率は同じ程度である。実験でも両方のモードが見られ,計算結果と定性的に一致する。異常ドップラー効果による表面波励起を調べ,遅波サイクロトロン相互作用とチェレンコフ相互作用の共鳴による基本モードの励起と制御を目指した新たな導波管を設計した。
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Research Products
(1 results)