2007 Fiscal Year Annual Research Report
異常ドップラー効果による表面波励起を用いた弱い相対論的大電力遅波ミリ波源の研究
Project/Area Number |
17340171
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小椋 一夫 Niigata University, 自然科学系, 教授 (40214093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 晃 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00270934)
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Keywords | 異常ドップラー効果 / オーバーサイズ / 表面波 / 周期的遅波構造 / モード制御 / 冷陰極 / チェレンコフ相互作用 / 遅波サイクロトロン相互作用 |
Research Abstract |
マイクロ波・ミリ波帯への高周波数化においては,「オーバーサイズ」と「モード制御」がキーワードである。本研究では,弱い相対論的電子ビーム(100keV以下)を用いて,異常ドップラー効果によりオーバーサイズ遅波導の表面波を励起することを目的としている。本年度の研究実績は次の通りである。 ディスクタイプの冷陰極と高電圧パルス電源システムと組み合わせて,大電流・高電圧パルス動作について調べた。陰極の耐久性について調べ,10MWレベルのパルス数100nsに対して,1000-2000ショット以上は使用できることを確認し,100kW級の大電力遅波発生実験に応用した。 周期的遅波構造におけるアッパーカットオフ領域では,導波管モードの群速度が小さくなると同時に管壁に集中した表面波となる。遅波構造のコルゲートは波形とは異なる矩形を採用して,平坦なアッパーカットオフを実現した。この場合,ビームが50kV以上で比較的エネルギーが高いと表面波とのチェレンコフ相互作用は進行波領域で起こり発振は見られなかった。比較的エネルギーの低い40-50kV以下では,磁場を調整することでチェレンコフ相互作用と遅波サイクロトロン相互作用が共鳴して,異常ドップラー効果による表面波励起が確認された。この発振においても,昨年度までの実験を基に,遅波導波管の両端の条件を変えることで,軸対称および非軸対称の発振モード制御が可能であることを示した。今年度得られた表面波励起による発振電力は1kW以下であったが,比較的エネルギーの低い領域での表面波励起とモード制御であり,実用面から見ても将来製の見こめる成果といえる。 最後に,有限の厚みを考慮した円環状電子ビームに対して,3次元的擾乱を取り入れた計算プログラムを作成し,固有モードと遅波電磁波との相互作用を調べ,実験結果と比較検討した。
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Research Products
(6 results)