2006 Fiscal Year Annual Research Report
キラル分子の光誘起核・電子ダイナミクスの量子制御と機能発現に関する研究
Project/Area Number |
17350004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤村 勇一 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (90004473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 裕彦 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (70178226)
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Keywords | キラリティー / 量子制御 / 分子モーター / 環電流 / 超短パルスレーザー / キラル分子 / コヒーレント制御 / 電子の回転運動 |
Research Abstract |
光誘起キラル分子内電子運動動力学機構の解明:昨年、我々は純エナンチオマーの価電子を直線偏光パルスレーザーで生成させ、分子環上で回転させることが出来ることをシミュレーションで見いだした。直線偏光パルスは角運動量をもっていないので、電子を回転させる能力はない。その回転機構は未解明であった。今年度は、この興味ある電子の運動機構を解明することができた。最も簡単な現実の6員環芳香族キラル分子をモデルとした。はじめ、核は固定していると仮定して、電子の有効ポテンシャル、遷移モーメントを評価した。分子内π電子が直線偏光パルスレーザー励起による回転挙動は時間依存Schroedinger方程式を解くことにより解析された。これにより分子のキラリティーの性質が電子回転の方向性を決めていることによるものであることが示された。従って、分子を固定することにより、キラリティーの同定に利用することが出来る。さらに、回転運動を加速させることも可能である。それは、ポンプーダンプパルスシェークセンスを分子に照射することにより達成される。 この研究成果は、国際化学雑誌Angewandte Chemie International Editionに発表された。尚、その論文はVery important paperに採用された。および国内で開催されるICQC2006 Satellite Symposium Sendai(5/16 ̄5/19)、及び2006 ICQC Kyoto(5/21 ̄5/26)において発表され高い評価を得た。
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Research Products
(6 results)