2006 Fiscal Year Annual Research Report
量子凝縮相中の分子の量子状態と化学反応性:低温化学反応の新展開
Project/Area Number |
17350008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
百瀬 孝昌 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 客員教授 (10200354)
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Keywords | 低温化学反応 / 超流動 / ヘリウム液滴 / 分子クラスター / 赤外分光 / 高分解能分光 / 光コム / 量子凝縮相 |
Research Abstract |
100K以下の低温における化学反応には、未だに解明されていない効果があることが、ごく最近指摘されている。本研究では、量子凝縮相中に捕捉した分子のエネルギー状態および化学反応性を明らかにすることによって、極低温(10K<)における化学反応の本質を実験的に解明することを目指すとともに、量子凝縮相の特質を生かした低温化学反応の新しい展開を行うことを目指している。量子固体あるいは超流動液体などの量子凝縮相はほぼ「自由」な分子を1K程度の温度に冷却することができ、かつその反応性を容易に調べることができる唯一の場である。本研究では、この量子凝縮相の利点を最大限に活用することで、低温化学反応似関する新しい研究を展開することを目指す。本年度は昨年度開発した超流動ヘリウム液滴に異分子のクラスターを捕捉する技術を用いて、反応の始状態になる分子クラスターの分光情報を赤外光分解能分光によって得た。一方、量子凝縮相中では、振動回転線の線幅が非常に鋭いことから、その超高分解能分光を行うために、周波数を安定化した赤外光源を作成した。具体的には赤外レーザー光を光コムにロックすることで、線幅10kHzをえた。今後は、ナノ秒レーザーを使った動力学分光法の確立を行った上で、これら量子凝縮相中に捕捉したクラスターの関与する極低温化学反応研究を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)