2006 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレン中のEC崩壊核種ベリリウム-7の半減期比較精密測定
Project/Area Number |
17350024
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大槻 勤 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50233193)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 かおる 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (40185343)
|
Keywords | 半減期変化 / 軌道電子捕獲崩壊 / フラーレン / ベリリウム / 比較自動測定 |
Research Abstract |
環境の変化が崩壊定数(半減期)に最も現れやすいと予想される核外電子捕獲(Electron Capture(EC))崩壊は核外の1sや2s電子が原子核に捕獲されて崩壊する。EC崩壊の代表的な核種である^7Beについては、わずかな半減期の変化0.1%程度の報告がなされているにすぎなかった。本研究者らはフラーレン(C_<60>)内にEC崩壊核種である^7Beを内包させることに成功したことにより、^7Beの半減期測定が可能となった。本年までに金属ベリリウム中の^7Beの半減期(53.25日)よりもC_<60>中の^7Beの半減期(52.6日)の方が、約1%以上短くなることが分かった。 平成18年度では、フラーレン中の^7Beの半減期がヘリウム温度の環境下でどれほど変化するかを調べた。また、フラーレン以外にベリリウム金属中でも^7Beの半減期がヘリウム温度でどれほど変化するかを調べた。さらに分子動力学計算を駆使して^7Beの原子核位置での電子密度を調べ、実験・理論両面から核外の電子状態がEC崩壊にどれほど影響を及ぼすか解明した。 1)常温で^7Beはフラーレン内を熱運動をしていると考えられるので、C_<60>試料をヘリウム温度に冷却することにより分子運動を抑えて半減期測定を行った。 2)密度汎関数理論・局所密度近似(LDA)に基づき、研究分担者(大野)が開発した全電子第一原理計算手法(全電子混合基底法)を用いて、各々の実験のケースに沿った原子核位置での電子密度を決定した。 これらの成果はアメリカ物理学会誌に投稿中である。
|
Research Products
(4 results)