2006 Fiscal Year Annual Research Report
フォトクロミック・ターアリレン誘導体による革新光スイッチ分子の構築
Project/Area Number |
17350069
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (40221197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 靖哉 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80324797)
中嶋 琢也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (70379543)
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Keywords | フォトクロミズム / ターアリーレン / チアゾール基 / 単結晶 / 光化学 / 分子スイッチ |
Research Abstract |
分子の電子系を光によって制御するスイッチングユニットとしてジアリールエテンに代表される有機フォトクロミック分子が注目を集めている。本研究者らは最近、連結方向の切り替えというジアリールエテン分子では実現できない観点から、トライアングル型ターアリーレン誘導体の開発を行った。このターアリーレン誘導体は中心のヘキサトリェン構造に由来するフォトクロミック反応に伴い、そのπ共役の連結方向を左右に可逆的に切り替える機能を有している。本研究では、革新的な高機能スイッチング分子であるターアリーレン系フォトクロミック分子を基盤に、革新機能を有する光スイッチ分子を構築することを目的とした。 本年度は、ターチアゾール誘導体を希土類金属に結合させることで、フォトクロミックスイッチング特性を有する発光性希土類錯体の創成に成功した。希土類錯体の場合、その発光特性は希土類元素周囲の空間的な対称性が低いほど蛍光発光特性が増強される傾向が知られている。これはその発光現象が本質的に対象禁制であることに由来する。ターアリーレンを導入したフォトクロミック希土類錯体は、可逆なフォトクロミック特性を示し、さらにそのフォトクロミック過程に伴って可逆に蛍光発光強度および発光スペクトルが変化する。これはフォトクロミック配位子の対称性がフォトクロミック反応に伴って変化することに対応している。DFT(汎密度関数法)を用いた量子化学計算により、空間対称性の変化および電子密度の対称性に大きな変化が発生することを明らかにした。
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Research Products
(5 results)