2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350070
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 登 九州大学, 薬学研究院, 教授 (60161890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐沢 悟 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (80315100)
秋田 健行 九州大学, 薬学研究院, 助手 (50294963)
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Keywords | カルベン / 単分子磁石 / 三座配位子 / オクタヘドラル / コバルト錯体 / ピリジン配位子 |
Research Abstract |
モノメタリック(単核)単分子磁石構築と同様の方法で二核〔三核又は四核〕単分子磁石を構築し、その磁気的性質の情報に基づいて集積化を行うという戦略に基づいて、本年度は、多核単分子磁石の構築を目指した。そのための鍵となる五配位コバルト錯体形成可能な多座配位子の探索に労力を傾けた。いくつかの三座配位子を持つコバルト錯体を用いて、磁気的性質及び溶液での錯体の安定性を検討した結果、2,6位にジメチルアミノメチルを持つピリジン三座配位子(TMAMpy)が有用であることがわかった。実際に五配位コバルト錯体(CoTMAMpy(NCO)_2)の単結晶を得、その結晶構造をX線結晶構造解析により明らかにした。このCoTMAMpy(NCO)_2は、ピリジンを加えることにより剛体溶媒中で1:1のオクタヘドラル構造をとることがわかった。さらに非常に興味深いことに、ジアゾ基を持つピリジンとの1:1錯体の剛体溶液において、光照射後、単分子磁石に特有の遅い磁気緩和現象がAc磁化率の測定により観測された。現在、この1:1錯体の磁気挙動を詳細に調べている。また併行して、2個のピリジル基を持ったジアゾカップラーを用いて、ダンベル型二核単分子磁石の構築を目指した。得られたコバルト錯体は、MTHF溶液の対する溶解度が低いという欠点を持ち、さらなる集合化には不向きであると考えられた。そこで溶解度を改良する目的で、TMAMpyの4位に種々の置換基を持つ新しい三座配位子を合成している。合成でき次第、複数のピリジル基を持ったジアゾカップラーを用いて、光照射後の磁気測定を行う予定である。
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Research Products
(3 results)