2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350070
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 登 九州大学, 大学院薬学研究院, 教授 (60161890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 悟 九州大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (80315100)
秋田 健行 九州大学, 大学院薬学研究院, 助手 (50294963)
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Keywords | 単分子磁石 / 一次元鎖磁石 / ヘテロスピン系 / 自己集積化 / カルベン / コバルト |
Research Abstract |
本年度も単分子磁石の集積化を目指して、コバルト-カルベンのヘテロスピン系での基本的戦略に基づいて研究を行った。昨年度合成された2、6位にジメチルアミノメチルを持つピリジン三座配位子(TMAMpy)のコバルト錯体と2個のピリジル基を持ったジアゾカップラー(D1py_2)を用いて、ダンベル型二核単分子磁石の構築を行った。光照射後、単分子磁石に特有の遅い磁気緩和現象がAc磁化率の測定により観測されたが、その結晶構造をX線結晶構造解析により明らかにするには至らなかった。また、シッフ塩基型配位子のCo(p-tolsal)_2とD1py_2を1:1で混合することにより、橙赤色の微結晶を得た。得られた微結晶はX線結晶構造解析には不十分であったが、SEM画像の測定により一次元鎖の形成を示唆する画像が得られた。結晶サンプルでの光照射後の磁気測定において、複数個のコバルト-カルベンユニットが強磁性的に相互作用した結果が得られた。更に、AC磁化率の測定によりスピンの遅い緩和が観測され(U_<eff>=87K)、DC磁化の測定(1.9K)により保持力(H_c=900 Oe)を持つ磁化の履歴現象が観測された。これらの磁気測定の結果は、一次元鎖磁石の生成を示唆する結果である。また、hfac類似の配位子Co(hfaci)_2とD1py_2及び2個のジアゾ基を持つD2py_2の1:1の混合により、一次元鎖状構造を持つ結晶および環状構造を持つ二核錯体がそれぞれ得られた。これらの結晶構造はX-線構造解析により明らかにされたが、分子間(鎖問)の反強磁性的相互作用によると考えられる磁気挙動が強く観測された。現在hfac型配位子のCo(hfaci)_2に嵩高い置換基を導入することにより分子間相互作用を抑えることを行っている。
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Research Products
(2 results)