2006 Fiscal Year Annual Research Report
非線形応答を示す超分子を利用したセンシングシステムの創製
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17350071
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹内 正之 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (70264083)
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Keywords | 共役ポリマー / 化学センサ / 高感度 / 超分子 / アロステリズム / 構造変化 |
Research Abstract |
化学センサにおいて、対象となる分子種・イオンを選択的に結合し、色調変化、蛍光強度変化あるいは電気化学的変化等の読み出し可能な物理シグナルへと変換するように設計することが重要である。化学センサで求められているのは対象分子種に対する高選択的・高感度での読み出しである。しかしながら、高選択制、高感度、親和性の向上はそれぞれ相反する考え方であり、従来の化学センサはいずれかを犠牲にしており、全てを兼ね備えた化学センサの設計は困難であると長い間考えられてきた。 本年度は、高感度化を目指し、1次元性の化学センサの構築とさらなる高次元配列を可能とする方法論を模索した。キシリレンジアミン部位はパラジウムと選択的に2:1錯体を形成するが、これを一次元ポリマーとした場合、23倍の感度向上が確認された。さらに2次元、3次元と配列制御するための機能性分子を新たに開発し、2次元高分子というあらたな概念を提案した。これらはAlignerと名付けられた。さらには、配列させるための新たな手段として、1次元高分子に巻き付くことの出来るオリゴマーを開発し、混ぜるだけで1次元性の化学センサが2次元に配列することを見いだした。これらの結果を今後利用することにより、これまで以上の高感度読み出しが可能となると思われる。この考え方とは別に、高選択的な化学センサの設計・開発も行った。アロステリズムを示すホスト分子に不斉部位を導入することにより、多段階平衡を利用した「完全不斉認識」に成功した。今後高分子化することにより、選択的分離剤への展開が見込まれる。
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Research Products
(4 results)