2005 Fiscal Year Annual Research Report
反応場の精密制御による窒素酸化物直接分解触媒の設計
Project/Area Number |
17350079
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤谷 忠博 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究グループ長 (50190054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 政明 独立行政法人産業技術総合研究所, 企画本部, 産業技術企画調査員 (70344140)
中村 功 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究員 (00357659)
高橋 厚 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究員 (60357366)
前田 泰 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究員 (30357983)
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Keywords | 窒素酸化物の分解 / 触媒精密設計 / 触媒活性点 / イリジウム / タングステン |
Research Abstract |
固体触媒表面上でのNO直接分解反応(2NO→N2+O2)において最も重大な問題点は共存酸素による触媒表面の酸化に起因する活性劣化である。当該年度では、NO解離能を持ちつつ酸素被毒を受けにくい触媒表面の組成と構造を明らかにすることを目的として、種々の異種金属の組み合わせによる検討を行った。その結果、イリジウム金属表面上にタングステンを添加することにより耐酸素性を有するNO解離の活性点が形成することを見いだした。具体的な研究成果の内容を以下に述べる。 清浄なIr(111)単結晶表面上において、273KでNOを吸着させた後、昇温分解を行うとN2の生成が認められ、NO解離反応が進行する。しかしながら、酸素を823Kで露出した後のIr(111)表面上では極少量のN2生成しかみられず、NO解離活性が著しく減少した。Ir表面の酸化によるNO分解活性の低下が起こっていることがわかる。これに対して、Wを蒸着したIr(111)基板に酸素を露出した表面では、清浄なIr(111)表面に比べてN2生成量が増加し、NO分解活性の向上が認められた。ここで、最大のNO分解活性はWの被覆率が0.24のときに得られた。このときの表面状態をX線光電子分光装置を用いて調べた結果、IrとWOx(x<3)の複合(Ir-WOx種の形成)が起こっていることが示された。したがって、Ir-WOx種がNO解離に対して高い活性を有することが明らかとなった。以上の結果から、酸素共存下におけるNO直接分解反応に対してIrとWの金属を組み合わせた触媒表面が有効であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)