2006 Fiscal Year Annual Research Report
反応場の精密制御による窒素酸化物直接分解触媒の設計
Project/Area Number |
17350079
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technolog |
Principal Investigator |
藤谷 忠博 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究グループ長 (50190054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 政明 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 主任研究員 (70344140)
中村 功 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究員 (00357659)
高橋 厚 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究員 (60357366)
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Keywords | 窒素酸化物 / 直接分解 / 耐酸素性 / 触媒活性点 / イリジウム / 硫黄 / タングステン / バリウム |
Research Abstract |
固体触媒表面上でのNO直接分解反応(2NO→N2+O2)において、最も重大な問題点は共存酸素による触媒表面の酸化である。当該年度では、酸素被毒を受けにくいNO分解表面を見いだすことを目的として、モデル触媒と実触媒の両面から種々検討を行った。その結果、イリジウム(Ir)表面が硫黄(S)と酸素の反応に対して高い活性を示すことを見いだし、この高い反応性を利用することで酸素被毒を受けず効率的にNO解離が進行することを明らかにした。具体的な研究成果の内容を以下に述べる。 酸素に露出した後のIr(111)単結晶表面上では、NO分解反応はほとんど進行しない。しかし、通常、触媒毒であるSO2をIr表面に共存させると酸素共存下でもNO解離が進行することを見いだした。これは、SO2の解離により生成した原子状Sが吸着酸素と反応し、Ir表面から酸素を取り除くためであることを明らかにした。したがって、酸素存在下においても微量のSを共存させることによってIr表面を金属状態に保持しすることで、酸素被毒を受けにくい表面となることがわかった。このSO2の効果を実際の粉末Ir/SiO2触媒を用いて調べた結果、モデル触媒同様の耐酸素性向上の効果が確認できた。さらに、Ir-WO3/SiO2触媒にバリウムを添加すると、バリウムとタングステンの複合酸化物の形成により、Ir金属が安定に保たれ、酸素共存下でのNO分解活性を飛躍的に向上させることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)